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ちくま学芸文庫

インド洋海域世界の歴史

——人の移動と交流のクロス・ロード

陸中心の歴史観に異を唱え、海から歴史を見る重要性を訴えた記念碑的名著。世界を一つにつなげた文明の交流の場、インド洋海域世界の歴史を紐解く。

定価

1,980

(10%税込)
ISBN

978-4-480-51069-3

Cコード

0122

整理番号

-31-1

2021/09/09

判型

文庫判

ページ数

672

解説

内容紹介

グローバル経済の起源は大航海時代にあると言われる。しかしそれよりはるか前、インド洋海域世界には二千年以上もの間、様々な民族、人種、宗教が交じり合う自由で自立した大経済圏が存在していた。季節風を利用した航海技術の確立により長距離交易が盛んに行われ、アフリカから地中海世界、西アジア、インド、東南アジア、中国にわたる広大な地域が一つに結ばれていたのだ。しかしレコンキスタ終結後、この経済網はヨーロッパ人に破壊され、奪われていく。イスラームの影響下で栄えた大経済圏・文化圏の全体像を、膨大な史料とフィールドワークをもとに描き出す、海域史研究の記念碑的名著。

目次

序 インド洋海域世界とは何か―木造帆船ダウを共有する文明
1 海域と文明(海域とイスラーム史の展開
海域ネットワークの成立
海域ネットワークの展開
海域ネットワークの変容
巡礼と人間移動のネットワーク)
2 インド洋海域世界が育てた船の文化と信仰(ダウとインド洋)

著作者プロフィール

家島彦一

( やじま・ひこいち )

1939年、東京都生まれ。慶應義塾大学修士課程修了。文学博士。東京外国語大学名誉教授。専門はイスラーム史、東西交渉史。著書に、『海域から見た歴史』『イブン・バットゥータと境域への旅』(名古屋大学出版会)、『イブン・バットゥータの世界大旅行』(平凡社新書)などが、訳書に、イブン・バットゥータ『大旅行記』、イブン・ファドラーン『ヴォルガ・ブルガール旅行記』(平凡社)などがある。

この本への感想

中国から東アフリカに至るインド洋海域世界のネットワークに、モルディブが拠点の一つとなっていることに感銘を受けました。小さな国にも関わらず交通の要衝にあり、交易に文化にしっかり足跡を残しているのですね。マルディーブ諸国の王統史が紹介されており、史料的価値を説明している部分も、興味深く読みました。イスラム史としてのインド洋の歴史と交流は、詳しく知れば知るほど魅了されます。今もその歴史は紡がれていることを実感します。

みみるす

さん
update: 2024/03/20

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