loading...

ちくま学芸文庫

世界をつくった貿易商人

——地中海経済と交易ディアスポラ

新世界に砂糖をもたらしインドの捺染技術をヨーロッパに伝えたディアスポラの民。何が彼らのグローバルな活動を可能にしたのか? その謎に迫る。

定価

1,430

(10%税込)
ISBN

978-4-480-51119-5

Cコード

0122

整理番号

-22-1

2022/04/07

判型

文庫判

ページ数

368

解説

内容紹介

世界経済の形成に関し、近年、地中海を結節点として活躍したセファルディムやアルメニア人といったディアスポラの民に注目が集まっている。セファルディムは大西洋間貿易を行いサトウキビの栽培方法と砂糖の生産方法を新世界に伝えた。アルメニア人は主に陸上貿易に携わりインドの捺染技術を西欧に伝えた。いわば彼らが東西インド会社に先立ち産業革命への先鞭をつけたのだ。しかしなぜ国家の後ろ盾のない民間商人が世界経済網を構築することができたのか? 膨大な史料をもとに気鋭の歴史家がその謎を解き明かす。そして商業組織の歴史をたどり、資本主義の起源に迫る。文庫オリジナル。

目次

第1章 商業書簡―世界をどう知るのか
第2章 ルネサンス期のフィレンツェと資本主義の起源―ビジネスヒストリーからの視点
第3章 大西洋を越えて―商業組織の比較へ
第4章 結婚と商業―セファルディムとアルメニア人の比較
第5章 グローバルヒストリーの時代にイタリアのミクロストリアに未来はあるのか
第6章 ルネサンスのイタリアとムスリム―二つの文明の融合

著作者プロフィール

フランチェスカ・トリヴェッラート

( ふらんちぇすか・とりヴぇっらーと )

フランチェスカ・トリヴェッラート(Francesca Trivellato) イタリア出身のミクロストリア。プリンストン高等研究所近世史講座教授。セファルディムとアルメニア商人研究の第一人者。邦訳書に、『異文化間交易とディアスポラ――近世リヴォルノとセファルディム商人』(和栗珠里・藤内哲也・ 飯田巳貴訳、知泉書館)がある。

玉木俊明

( たまき・としあき )

玉木 俊明(タマキ・ トシアキ) 1964年、大阪市生まれ。同志社大学大学院文学研究科(文化史学専攻)博士後期課程単位取得退学。現在、京都産業大学経済学部教授。専門は近代ヨーロッパ経済史。著書に『ヨーロッパ覇権史』『ヨーロッパ 繁栄の19世紀史』(ちくま新書)、『近代ヨーロッパの誕生』『海洋帝国興隆史』(講談社選書メチエ)、『〈情報〉帝国の世界史』(講談社現代新書)、『近代ヨーロッパの形成』(創元社)、『ダイヤモンド 欲望の世界史』(日本経済新聞出版社)など多数。訳書にヤコブ・アッサ『過剰な金融社会』(知泉書館)などがある。

本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。

  • [*]は必須項目です。おそれいりますが、必ずご記入をお願いいたします。
  • (ここから質問、要望などをお送りいただいても、お返事することができません。あしからず、ご了承ください。お問い合わせは、こちらへ)
  • ※お寄せいただいたご意見・ご感想の著作権は小社へ帰属し、当ホームページや小社出版物に転載させていただく場合がございます。
  • ※ご意見・ご感想への返信はいたしておりません。ご了承ください。

「ちくま学芸文庫」でいま人気の本

いま話題の本