R・M・ヘア
( へあ )R・M・ヘア(Richard Mervyn Hare):1919‐2002年。オックスフォード大学、フロリダ大学で教鞭を執る。倫理学者。応用倫理学、メタ倫理学に大きく貢献した。主著に、『道徳の言語』(小泉仰、大久保正健(訳)、勁草書房)、『道徳的に考えること』(内井惣七、山内友三郎(監訳)、勁草書房)などがある。
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「自由と理性の間の二律背反を解消することが道徳哲学の課題であり、本書の課題である」。私たちは、自分で自分の行動を決める自由を持つと考える一方で、その判断は自分勝手ではなく、理性的でなければならないとも考える。本書では、道徳判断の主要な性格を「指図性」と「普遍化可能性」ととらえることによって、その規範的な効果を示し、道徳について生産的な議論への道をひらく。また、論証の実践例として人種差別問題――なぜ人種の違いを根拠として人間の取り扱いに違いがあってはならないのか――を取り上げ、理論の射程を示す。実践的で多元的な倫理学の構想。解説 佐藤岳詩
はじめに
第一部 記述することと指図すること
第1章 序説
第2章 記述的意味
第3章 諸原則
第4章 「すべきである」と「することができる」
第5章 道徳における後退
第二部 道徳的論証
第6章 ある道徳的議論
第7章 功利主義
第8章 理想
第9章 寛容と狂信
第三部 理論から実践へ
第10章 論理と道徳
第11章 実践的な例
訳者あとがき
解説 自由で多元的な倫理学の可能性 佐藤岳詩
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