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ちくま学芸文庫

人類はどこから来て、どこへ行くのか

人間を人間たらしめた決定的要因とは何か?

私たち人間を人間たらしめる決定的要因とは何か。生物学のみならずあらゆる科学的知見を動員しその謎に挑む、ウィルソン集大成の書。解説 巌佐庸

定価

1,870

(10%税込)
ISBN

978-4-480-51306-9

Cコード

0145

整理番号

-8-3

2025/07/10

判型

文庫判

ページ数

448

解説

巌佐庸

内容紹介

私たち人間と他の動物たちとを隔てるものとはいったい何か。なぜヒトだけがそれまでの生物とは異なる特異な存在になりえたのか。アリ研究の第一人者であり、社会生物学の草分け的存在として、また「生物多様性」という言葉を生み出したことでも知られる生物学者エドワード・O・ウィルソンは、その集大成ともいうべき本書で、この人類最大の謎に迫っていく。人間を人間たらしめた決定的な要因とは果たして何だったのか。「真社会性」に注目し、専門とする生物学のみならず、考古学、歴史学、人類学、進化心理学など多分野の成果を結集させた果敢な試み。解説 巌佐 庸

目次

プロローグ
Ⅰ なぜ高度な社会性をもつ生命が存在するのか?
1 人間の条件

Ⅱ われわれはどこから来たのか?
2 支配に至るふたつの道
3 アプローチ
4 今に至る
5 進化の迷路を抜けて
6 創造的な力
7 同族意識はヒトの基本的な習性
8 戦争は人間が受け継いできた呪いか
9 出アフリカ
10 創造的爆発
11 文明への猛ダッシュ

Ⅲ いかにして社会性昆虫は無脊椎動物の世界を支配するに至ったのか?
12 真社会性の発明
13 社会性昆虫を進化させた発明

Ⅳ 社会進化の力
14 希少性にかんする科学的な謎
15 昆虫の利他行動と真社会性の説明
16 昆虫が大きな飛躍をなし遂げる
17 自然選択がいかにして社会性昆虫を生み出すのか
18 社会進化の力
19 真社会性の新理論の登場

Ⅴ われわれは何者か?
20 人間の本性は何か?
21 文化はどのように進化したか
22 言語の起源
23 文化の多様性の進化
24 道徳と名誉の起源
25 宗教の起源
26 創造的な芸術の起源

Ⅵ われわれはどこへ行くのか?
27 新たな啓蒙運動

謝辞/解説/参考文献/著書一覧/索引

著作者プロフィール

エドワード・O・ウィルソン

( うぃるそん,えどわーど・O )

エドワード・O・ウィルソン(Edward O.Wilson):1929?2021年。アメリカ合衆国アラバマ州に生まれる。アラバマ大学で進化生物学を学んだのち、ハーヴァード大学で博士号を取得。同大学で長年教鞭をとる。アリ研究の第一人者であり、社会生物学の草分けとして、また保全生物学への貢献でも広く知られる。アメリカ国家科学賞やクラフォード賞などに加え、ピューリッツァー賞を二度受賞。『社会生物学』『人間の本性について』『ヒトはどこまで進化するのか』など、多数の邦訳書がある。

斉藤隆央

( さいとう・たかお )

斉藤隆央(さいとう・たかお):1967年生まれ。東京大学工学部卒業。翻訳家。訳書に、ミチオ・カク『量子超越』、ニック・レーン『生命、エネルギー、進化』などがある。

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