馬渕明子
( まぶち・あきこ )馬渕 明子(まぶち・あきこ):神奈川県生まれ。東京大学大学院、パリ第四大学大学院博士課程。東京大学助手、国立西洋美術館主任研究官を経て、日本女子大学教授、国立西洋美術館館長を歴任。現在、日本女子大学名誉教授、公益財団法人西洋美術振興財団理事長。主な著書に『美のヤヌス──テオフィール・トレと19世紀美術批評』(スカイドア)、『舞台の上のジャポニスム──演じられた幻想の〈日本女性〉』(NHK出版)などがある。
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ジャポニスムは、19世紀後半から日本美術が西洋美術に影響を与えた結果生まれた現象である。西欧の「ものの見かた」まで揺さぶったという点でも、文化史上重要な出来事だが、同時にヨーロッパが形成した日本のイメージは、彼らの欲望に基づいた異文化像として作られたものであることは疑いを入れない。本書は、ジャポニスムの定義から起こして、印象派・ウィーン分離派ほか多数の作品や当時の評論をもとに、日本美術が与えたインパクトとその意味を詳細に解説する。ヨーロッパで成立した西洋美術史を「一つの価値観」として相対化することもできるようになる犀利な論集。絵画図版多数。
1 ジャポニスムとは何か 序にかえて
2 ジャポニスムと自然主義
3 モネの《ラ・ジャポネーズ》をめぐって 異国への窓
4 A travers モネの《木の間越しの春》をめぐって
5 モネのジャポニスム 自然と装飾
6 ゴッホと日本
7 クリムトと装飾 ウィーンにおける絵画のジャポニスム
8 葛飾北斎とジャポニスム…………
主要参考文献
ジャポニスム関連年表
文庫版自著解説 「ジャポニスム」は理解されてきたか?
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