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ちくまプリマー新書

よりみち部落問題

私は被差別部落に生まれた。

たまたま被差別部落に生まれたために、部落問題についてあれこれ思い悩んだ半世紀。記者として取材した差別、共同体の過去・現在・未来、今こそ語りあかす。

定価

990

(10%税込)
ISBN

978-4-480-68511-7

Cコード

0236

整理番号

477

2024/12/05

判型

新書判

ページ数

240

解説

内容紹介

私は被差別部落に生まれた。

自らの出自を考えずに自由に生きることこそが、
部落問題の解決ではないか。
そう考える著者がたどりついた地平は――。
被差別部落のみならず、あらゆる差別を考える一冊。

たまたま被差別部落に生まれたために、部落問題についてあれこれ思い悩んだ半世紀。記者として取材した差別、共同体の過去・現在・未来、今こそ語りあかす。

目次

第一章 Firstly  最初は――出会いと不安
出身地は「差別されてきた地域」/「エタ・非人」は私に関係があるのか?/急な変化は絶対イヤ! らしい……/「一緒にするな」の気持ち/新しい「区別」って?/「侮蔑ノ意志」を許さない/差別が止まらない/有罪判決を受けた祖父/ルーツを誇らない/「どこ」の「だれ」の問題なのか/「みんな同じ」が嫌な性分/窃盗で飢えをしのいだ教師/向き合い方はさまざま/生き方の押し付けは困る/過激派からのオルグ/部落解放研究部に入部/マイノリティの中のマイノリティ/先走る理想/見える違いと見えない違い/マイノリティの彼らとマジョリティの自分/存在と意識の中の「中心」と「周縁」/解放研、廃部の危機!/状況と意志が道を拓く/学園祭で起こった事件/就職戦線異常あり

第二章 Then  それから――記者、学芸員、ライター
世界中を見て回る夢/今しかできないことは何か/社会人になってわかったこと/思うように記事が書けない/ジェスチャー事件/時間がかかったメッセージ/情報の取り扱い/ブラジルに行くつもりが……/阪神・淡路大震災/博物館学芸員に転職/マイノリティの中のマジョリティ/「見せる」ことの可能性/学芸員の自由と不自由/「人権」の間口/書く方が向いているのではないか……/部落問題に取り組む決意/部落民の日常を知ってもらう/キーワードは「地域」と「世代」/食文化だって違う/出自を実名で書く

第三章 Afterthat  そのあとは――食文化、同和利権、インターネット
『ホルモン奉行』/屠畜という仕事/恋人が食べてきたもの/問題に出会う入口/同対事業は「犯罪誘発装置」?/老朽住宅が三、四割も/生活の厳しさは変わらない/公共事業は何をもたらしたのか/「窓口」はひとつだけではない/同対事業に群がる人びと/インターネットに載った情報/部落民は存在しない?/被告とのやりとり/「裁判所は相当ビビってる」/ナンセンスな主張/ネット上の公開を制限/高校生の問題意識/「ありがたい」ツール/差別に利用されるネット/過度の心配は禁物/地域を出たらわからない?/あふれ出る偏見/七割が差別的な回答/悪びれず拡散する差別/国が部落差別の存在を認める/「人でなく、部落を撮りたい」と言う男/気味の悪い浅はかさ/差別しやすい時代

第四章 Finally  最後は――被差別部落の残り方
本当の部落の姿/「こだわらない」は良いことなのか/出自を明らかにしても差別されない社会/部落民は存在しないのか/なかったことにできない/ルーツに優劣を持ち込むな/ルーツを考えることに例外はない/部落出身者の視点/みんなが関係者になる社会/スイッチを「ON」にする/どんな問題も「関係ない」と思わない

著作者プロフィール

角岡伸彦

( かどおか・のぶひこ )

角岡 伸彦(かどおか・のぶひこ):1963年、兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部を卒業。神戸新聞記者などを経てフリーに。著書に『ふしぎな部落問題』(ちくま新書)『ホルモン奉行』(新潮文庫)、『はじめての部落問題』(文春新書)、『被差別部落の青春』(講談社文庫)、『ピストルと荊冠――〈被差別〉と〈暴力〉で大阪を背負った男・小西邦彦』(講談社+α文庫)などがある。『カニは横に歩く――自立障害者たちの半世紀』(講談社)で第33回講談社ノンフィクション賞受賞。

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