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ちくまプリマー新書

経済学者のアタマの中

お金のことも、世の中をよくするための仕組みも。

お金のことも、世の中をよくするための仕組みも。伝統的経済学、行動経済学の考え方の本質と学問全体の見取り図を、第一人者が案内します。経済学部へようこそ!

定価

1,034

(10%税込)
ISBN

978-4-480-68525-4

Cコード

0233

整理番号

493

2025/06/09

判型

新書判

ページ数

256

解説

内容紹介

「お金のこと」も
「社会をよくすること」も
考える。

経済学者が日々考えているのは「世の中をよくするための仕組み」です。
伝統的経済学、行動経済学の考え方の本質と、学問全体の見取り図がわかる「経済学」入門!
第一人者が案内します。

大竹文雄、最新著書!
(大阪大学感染症総合教育研究拠点特任教授、大阪大学大学院経済学研究科教授(兼))

「私はなぜ経済学を学び、
経済学は今、何ができるのか」
を語り尽くす。

【「はじめに」より】
 皆さんは「経済学は自分がお金儲けすることばかり考える分野だろう」と思っていませんか? それは経済学に対する大いなる誤解です。……
 実際の経済学には、お金やお金儲け自体を研究する分野はあまり多くありません。お金そのものを研究対象にしているのは、金融という分野です。経済学では、企業がお金儲けを目標にして経営されていることを前提にしていますが、だからといって、お金儲けをする方法を経済学者が研究しているわけではないのです。
 私を含め、経済学者が日々考えているのは「世の中をよくするためにどうすればよいのか」ということです。具体的には、貧しい人を少しでも豊かにするにはどうすればいいのか、どうすれば失業者を減らせるのか、公的な医療保険をどうすれば維持できるのか、という社会をよりよくするものが典型的です。それだけではありません。老後の生活のための貯蓄をする、宿題を先延ばししないようにするといった目標達成のための方法、職場での労働意欲を高める方法、子育てのヒント、といった家庭や職場をよりよくするための方法も考えているのです。このように、経済学の考え方に基づいて、世の中の動きや仕組みを解釈したり、解決策を提案したりするための研究をしているのが経済学者です。
 ……この本では、どうすれば社会はよりよくなるのかをいつも考えている経済学者のアタマの中を紹介します。

目次

はじめに――社会をよりよくしたい人は、ぜひ経済学部へ

第一章 経済学者とはどういう仕事か
1 私が経済学者になった理由
2 どうやって経済学者になるのか
3 経済学部では何を学ぶのか
4 誤解にまみれた経済学
5 経済学とはどんな学問か
6 行動経済学への目覚め

第二章 経済学者はどのように世の中を捉えているか
1 経済学者が考える人間と社会
2 社会と経済の関わり
3 経済学者が目指すものは

第三章 行動経済学とはどんな学問か
1 行動経済学の始まり
2 行動経済学の実践

第四章 経済学は社会にどう「役に立つ」のか
1 人間の行動をよりよく変える
2 行動経済学とゲーム理論
3 「努力する仕組み」の行動経済学的解決
4 経済学を学ぶと、どのように「役に立つ」のか

第五章 経済学者のアタマの中
1 日常生活は「行動経済学」でよりよくなる?…
2 経済学者の働き方

おわりに
参考文献
索引

著作者プロフィール

大竹文雄

( おおたけ・ふみお )

大竹 文雄(おおたけ・ふみお):1961年生まれ。83年、京都大学経済学部卒業。85年、大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程修了。大阪府立大学講師等を経て、現在、大阪大学社会経済研究所教授。大阪大学博士(経済学)。労働経済学を専攻。著書に『日本の不平等』(日本経済新聞社、サントリー学芸賞、日経・経済図書文化賞、エコノミスト賞受賞)、『経済学的思考のセンス』(中公新書)、『労働経済学入門』(日経文庫)、『応用経済学への誘い』(編著、日本評論社)などがある。2006年に日本経済学会・石川賞を受賞。

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