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単行本

経験する機械

——心はいかにして現実を予測し構成するか

予測が世界をつくりだす 心の哲学の最大の謎がついに解明された!

脳・身体・世界はどうつながっているのか。人間の能動的な予測が、世界を絶えず構成するメカニズムを解き明かす。認知科学の世界的第一人者による理論的集大成!

定価

3,080

(10%税込)
ISBN

978-4-480-84754-6

Cコード

0040

整理番号

2025/10/06

判型

四六判

ページ数

352

解説

内容紹介

現実はわたしたちの外側にただ在るのではない。心は外界を受け取るだけの装置ではない。人間の能動的な予測によって、世界は絶えず構成されている――。心と身体、世界はどうつながっているのか。意識をめぐる最大の謎が、ここに解明される!
「拡張された心」理論によって認知科学・心の哲学をアップデートしつづけてきた世界的第一人者による理論的集大成。

===
日常実践、アスリートやケアの現場への示唆も満載。
認知科学研究の最前線!
●「ゾーンに入る」とはどういう経験?
●痛みを緩和する心のはたらきとは?
●気の持ちようしだいで緊張が和らぐ?
●信念や期待を持てば、現実が変わっていく?
●プラセボ効果をもたらす心のメカニズムとは?
●自閉症や統合失調症のひとには現実がどう見えている?
●ポケットでスマホが鳴ったような錯覚はなぜ起こる?

===
私たち人間は、予測する脳によって構築されている。……ありのままの生の経験など存在しないことをまず認識する必要があるだろう。暑さや痛みなどといったごく基本的な感覚から、自己、自我の溶解、宇宙との一体感などのきわめて神秘的な経験に至るあらゆる事象が、予測と感覚的証拠が遭遇する場所で生じる構築物なのである。
(本文より)
===

目次

はじめに――経験を形作る

第1章 予測する機械を解剖する
視覚の高性能カメラモデル/流れを逆転させる/ポンコツラジオとコントロールされた幻覚/質素な脳/予測の力/正弦波音声と「グリーンニードル」効果/ホワイトクリスマスの幻聴/ドレスをめぐる錯覚など/予測の学習/予測としての知覚

第2章 精神医学と神経学をつなぐ
組織の損傷を超えて/プラシーボ効果とノセボ効果/痛みの自己確証の悪循環/機能性障害/注意の障害/フーバー徴候/慢性疼痛における予想の役割/自閉スペクトラム症におけるバランスの変化/強化された感覚世界/マガーク効果/統合失調症におけるバランスの変化/心的外傷後ストレス障害/では、何が最善のバランスなのか?

第3章 自己充足的予測としての行動
観念運動理論/カモメを見る/すべてを支配するただ一つの配線様式/くすぐりが教えてくれること/外野手から学ぶ/身体化された専門スキル/長期的なゲーム(と楽観的な予測の役割)

第4章 身体を予測する
暗室からの脱出/好奇心と予測エラー/身体予算の予測/情動の身体化/緊密に協調し合う神経回路/心で見る/うつ、不安と身体の予測 ポジティブな情報に対する免疫を作る/増殖する審美的な悪寒

間奏 ハードプロブレム――予測者を予測する?
単純な有感性/私たち自身を予想する/単純な自己モデル/哲学的ゾンビを尋問する

第5章 よりよい予想
自分が感じているものを知覚する/予測バイアスに対処する/有用なフィクション/内受容感覚を改善する/真実に近い?/動くキーボード/リアルさを保つ

第6章 生身の脳を超えて
世界への依存/ひとり暮らし/情報取得のための行動/認識的行動と実践的行動の統合/循環するプロセス/脳を徐々にアウトソーシングする/腸で考える/拡張された感覚/拡張された心/オットーは美術館に行く/ここまでの議論を要約する/資源調達をめぐる謎を解く/脳としての心

第7章 予測する機械をハッキングする
苦痛の軽減の予想/「正直な」プラシーボ効果の不思議/プラシーボ反応を教え込む/バーチャル・リアリティを用いて痛みを緩和する/留意事項/自己肯定の力/経験をフレーミングする/疼痛再処理療法 /自分自身の予想を免れる/幻覚剤と自己――化学的なロマンス/呪縛を緩める/瞑想と注意のコントロール

結論 世界に開かれた予測の生態系

補遺
要素1――生成モデル/要素2、3――予測と予測エラー/要素4――適合率

謝辞/註/訳者あとがき/索引

著作者プロフィール

アンディ・クラーク

( くらーく,あんでぃ )

アンディ・クラーク(Andy Clark):1957年生まれ。哲学者。サセックス大学教授。心の哲学、認知科学の世界的第一人者。英国スコットランドのスターリング大学を卒業。同大学でPh.D.を取得。グラスゴー大学、サセックス大学、エジンバラ大学ほかで教鞭を執ったのち現職。邦訳された著書に『認知の微視的構造――哲学、認知科学、PDPモデル』(産業図書)、『生まれながらのサイボーグ――心・テクノロジー・知能の未来』(春秋社)、『現れる存在――脳と身体と世界の再統合』(ハヤカワ文庫NF)がある。

高橋洋

( たかはし・ひろし )

高橋 洋(たかはし・ひろし):1960年生まれ。同志社大学文学部文化学科卒(哲学及び倫理学専攻)。IT企業勤務を経て翻訳家。エリック・カンデル『なぜ脳はアートがわかるのか』(青土社)、バチャ・メスキータ『文化はいかに情動をつくるのか』、リサ・フェルドマン・バレット『情動はこうしてつくられる』、ジョナサン・ハイト『社会はなぜ左と右にわかれるのか』(以上、紀伊國屋書店)、マイケル・トマセロ『行為主体性の進化』、アントニオ・ダマシオ『進化の意外な順序』(以上、白揚社)、ジョセフ・ルドゥー『存在の四次元』(みすず書房)ほか、科学系の翻訳書多数。

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