加藤幹郎
( かとう・みきろう )1957年長崎県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科教授。映画学者、映画評論家。明晰かつ論理的な分析のみならず、映画、漫画、絵画、文学へのしなやかな愛情が読者に伝わる書物が多数。主著に『映画とは何か』(みすず書房、第11回吉田秀和賞)、『映画ジャンル論』(平凡社)、『映画の領分 映像と音響のポイエーシス』(フィルムアート社)、『「ブレードランナー」論序説 映画学特別講義』『映画 視線のポリティクス』(以上、筑摩書房)など。
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映画会社が製作の現場から興行の末端まで丸抱えにしたスタジオ・システムの時代、1930年代末~40年代のハリウッドでは一本のフィルム成立に複雑怪奇な手順、障碍が関与した。世界大戦を背景に、文書資料、インタビュー、映像分析等を駆使してハリウッド映画の生成過程を追跡する気鋭の論考。「映画製作倫理規定(プロダクション・コード)」全訳を付す。
第1章 検閲と生成―スクリューボール・コメディ論
第2章 喜劇映画作家がプロパガンダを撮るとき
第3章 雇われた黒人―カールトン・モス・インタビュー
第4章 ジャンルとジェンダー
補遺 映画製作倫理規定
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