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単行本

砂の器 映画の魔性

——監督野村芳太郎と松本清張映画

観客はなぜ感動したのか?

公開から半世紀を経た今も人気の映画「砂の器」。松本清張原作を大胆に映像化した脚本・監督・音楽家による仕掛けとは? 初公開秘蔵資料をもとに秘密に迫る!

定価

2,750

(10%税込)
ISBN

978-4-480-87417-7

Cコード

0074

整理番号

2025/03/06

判型

四六判

ページ数

384

解説

内容紹介

1974年に公開されて大ヒットとなった松本清張原作の映画『砂の器』。公開から半世紀を迎えてなお「国民的」人気を誇るこの作品は、通りいっぺんの「名作」ではなく、むしろ製作・脚本の橋本忍、監督の野村芳太郎を中心とする名匠たちが極めてベンチャーな野心と創意をもって、まさに「映画の魔性」にとりつかれて実現した「挑戦作」にして「異色作」なのである。本書では、数々の現場資料を踏まえながら、清張原作から大胆な改変をもって誕生したこの作品の創造プロセス、そして後世に与えた意外な影響までを含めて網羅する『砂の器』研究書籍の唯一にして無二の「決定版」である。本書は映画公開50年に加えて、野村芳太郎監督生誕105年に捧げられる。

目次

序章 『砂の器』という映画の魔性 

第一章 『砂の器』の脚本と演出
・原作から脚本へ ―― 橋本忍の「奇抜」 
・野村芳太郎監督の横顔 ―― 野村芳樹インタビュー
・脚本から映像へ ―― 野村芳太郎の「緻密」

第二章 『砂の器』の音楽
・ピアノ協奏曲「宿命」の創造 ―― 和田薫インタビュー 
・「宿命」はいかに撮影されたかーー佐々木真インタビュー 

第三章 『砂の器』の演技
・「泣かせ」を極めた子役の陰陽 ――春田和秀インタビュー 
・大作映画ヒロインとしての華――島田陽子インタビュー

第四章 『砂の器』の宣伝・興行
・宣伝から公開へ ―― 興行戦略の再検証

第五章 『砂の器』の影響
・中国の観客・作り手への影響 ―― 劉文兵インタビュー
・新世代への影響 ――中川龍太郎インタビュー

著作者プロフィール

樋口尚文

( ひぐち・なおふみ )

樋口 尚文(ひぐち・なおふみ):1962年生。早稲田大学政治経済学部卒。戦後日本映画史を再検証する著作多数。映画評論家、映画監督。主な著書に『大島渚全映画秘蔵資料集成』(国書刊行会/キネマ旬報映画本大賞2021第一位)、『大島渚のすべて』(キネマ旬報社)、『黒澤明の映画術』(筑摩書房)、『実相寺昭雄 才気の伽藍』(アルファベータ)『グッドモーニング、ゴジラ 監督本多猪四郎と撮影所の時代』(筑摩書房/国書刊行会復刊)、『フィルムメーカーズ20 大林宣彦』(責任編集/宮帯出版社)、『ロマンポルノと実録やくざ映画 禁じられた70年代日本映画』(平凡社)、『映画の復讐』(フィルムアート社)、『映画のキャッチコピー学』(洋泉社)がある。

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