益田昭吾
( ますだ・しょうご )1941年生まれ。66年、東京慈恵会医科大学卒業。07年、東京慈恵会医科大学教授を退任。現在は同大学名誉教授。卒業以来、一貫して黄色ブドウ球菌の病原性の研究に従事。細菌の病原性を通じて医学と生物学の関係に深い関心を抱く。著書に『生きものとしての病原微生物』(廣川書店)、『病原体はどう生きているか』(ちくま新書)など。
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たとえばコレラ菌は、子孫を残すためにコレラという病気を起こす。コレラ患者の身体は、コレラ菌にとって最適な生存環境だからである。けれども患者の死は、環境そのものの破壊を意味し、コレラ菌にとっても不都合なことになる。ではコレラ菌は、どうやって生き延びるのだろうか。ジフテリア菌や破傷風菌、結核菌からB型肝炎ウイルス、エイズウイルスなどが繰り広げるミクロな世界の生存競争を眺めながら、病気と病原体の自己保存との関係について考える。
序章 病原体はどう理解されてきたか
第1章 病原微生物の生態
第2章 病原体への対応
第3章 いくつかの病原細菌
第4章 細菌以外の病原体
第5章 病原微生物を通して考える
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