ちくま新書
リサーチ・クエスチョンとは何か?
佐藤郁哉
著
loading...
「死」と言われて思い浮かべる風景―地獄。生前、悪行を為した者は、三途の川の岸辺で奪衣婆に衣服を剥がれ、閻魔大王の裁きをうけて、剣の山や火炎地獄、血の池地獄など、果てしない冥界めぐりに追いたてられるという。日本人の心の奥底に刻みこまれた、こんな死後の世界のイメージは、実は、現世が逆照射された風景だった。「十界曼荼羅」「地蔵十王経」など、数々の地獄絵にも残されているあの世観から、今に息づく日本の原風景をさぐる地獄の文化史。
1 他界を遍歴する(他界遍歴と甦り―『日本霊異記』の世界
ヨモツ(黄泉)国訪問譚 ほか)
2 地獄を幻視する(地獄の視覚化
地獄を想起せよ ほか)
3 三途の川の奪衣婆(奪衣婆の出現
奪衣婆の系譜 ほか)
4 女の地獄と穢れ(女の地獄とは―「熊野観心十界曼荼羅」の世界
女の地獄の絵解き ほか)
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。