山田昌弘
( やまだ・まさひろ )1957年東京都生まれ。1986年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京学芸大学教育学部教授。専門は家族社会学・感情社会学。内閣府国民生活審議会委員、東京都児童福祉審議会委員などを歴任 。著書に『近代家族のゆくえ』『結婚の社会学』『家族のリストラクチュアリング』 『パラサイト・シングルの時代』『家族というリスク』『パラサイト社会のゆくえ』『希望格差社会』などがある。
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親に基本的生活を依存する独身者を著者が「パラサイト・シングル」と呼び始めてから、七年あまりがすぎた。この言葉はすっかり定着したが、実はこの間にパラサイトたちは密かに変容していた!かつては、「本当は自立できるのにリッチな生活をしたいから」パラサイトしたのだが、現在では「正社員にもなれず、自立したくても自立できない」貧乏パラサイトが主流となっているのだ。この九〇年代後半のパラサイトたちの変容の背景には、日本社会の地殻変動がある。自殺者数の増加、離婚率の高まり、青少年犯罪の増加などさまざまなデータ・現象を手がかりに、日本の家族のゆくえを多面的に分析する。
パラサイト・シングルの変質―一九九八年問題
1 永久就職は今や昔―平成結婚事情(「離婚、一分四九秒に一組」
二〇五〇年にお年寄り三五%超す
四人に一人「できちゃった婚」 ほか)
2 欲しいモノがない―子ども社会の変容(三人に一人は夢がない
パラサイト親子の背後に祖父母あり
「お年玉二年連続減少」 ほか)
3 パラサイト社会の裏側(中年女性がプリモプエルにはまる理由
「若年フリーター増に警鐘」
中年男性の自殺急増 ほか)
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