仲正昌樹
( なかまさ・まさき )1963年生まれ。東京大学総合文化研究科地域文化研究専攻博士(学術博士)。現在、金沢大学人間社会環境研究科教授。主な著書に『「不自由」論』(ちくま新書)、『集中講義! 現代の現代思想』(NHKブックス)などがある。
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「分かりやすさ」という名の思考停止が蔓延している。知識人ですら、敵か味方かで「世界」を線引きする二項対立図式にハマり込んでいる。悪くすると、お互い対立する中で「敵」の思考法が分かるようになり、「敵」に似てきてしまう?Bこうした硬直した状況を捉え直す上で、アイロニカルな思考は役に立つ。アイロニーは、敵/味方で対峙する。“前線”から距離を置き、そこに潜む非合理な思い込みを明らかにする。本書はソクラテスやドイツ・ロマン派、デリダなどアイロニカルな思考の系譜を取り出し、「批評」の可能性を探る刺激的な一書である。
序 カンタン系化するニッポンの思想
第1章 「二項対立」とは何か?
第2章 哲学に潜む「二項対立」の罠
第3章 ドイツ・ロマン派の批評理論
第4章 「アイロニー」をめぐるアイロニー
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