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ちくま新書

高校野球「裏」ビジネス

「カモになるのは、技術の低い子や」

裏金事件に端を発し、特待生制度問題に発展したプロアマ球界の大騒動。その核心はどこにあるのか。夢や情熱をカネに換える手口とは。国民的スポーツの闇を暴く!

定価

858

(10%税込)
ISBN

978-4-480-06407-3

Cコード

0275

整理番号

711

2008/03/05

判型

新書判

ページ数

240

解説

内容紹介

西武裏金事件に端を発し、特待生制度問題にまで発展したプロアマ球界の大騒動。日本高野連をはじめ、高校野球を支えるはずの人々は、この騒動の渦中に何を考え、どのように動いたか。そして実はいまだ一般には知られていない、問題の核心はどこにあるのか。北海道から九州まで歩いて、指導者や強豪校の本音をインタビュー。さらに有力選手獲得合戦の実情や、夢や情熱をカネに換える手口など“国民的スポーツ”の闇を暴く。

目次

序章 議論されなかった重大事
第1章 闇の世界への招待
第2章 ボーイズリーグ
第3章 ボーイズリーグの魅力とは
第4章 学校経営に野球は必要か
第5章 高校野球の現場
第6章 有識者会議
第7章 自民党の高校野球特待生制度問題小委員会
第8章 高校野球は、これからどうなるか

著作者プロフィール

軍司貞則

( ぐんじ・さだのり )

1948年生れ。ウィーン大学で学ぶかたわら、ヨーロッパ全域を取材 する。帰国後、ノンフィクション作家として、政治・経済から食 糧・教育問題まで、幅広いジャンルの作品を発表する。主な著書に 『高校野球「裏」ビジネス』(ちくま新書)、『滅びのチター師』 『ナベプロ帝国の興亡』(ともに文藝春秋)、『空飛ぶマグロ』 『本田宗一郎の真実』(ともに講談社)、『学校再生』『麻薬脱 出』(ともに小学館)などがある。

この本への感想

大量の野球留学の裏に、特待生制度があることは分かっていましたが、この本を読んで改めてその利権構造と根の深さを感じました。
マイナーなスポーツならいざ知らず、野球程のメジャーなスポーツであれば、自分の競技レベルにあった学校は周りにいくらでもあるはずです。中学生ですら、そんなことは分かっています。それを敢えてせず、地元のコミュニティ、友人関係を絶ってまでして縁もゆかりのない地方に行って野球をするというのは、本人の意志よりも周囲の意志によるものであると思います。本当に憧れて進学する生徒は特待生制度を利用しなくても行きます。本書はその現状を裏付ける内容でもあると思います。
本来、私学は独自の理念、教育システム、サービスで運営されるべきなのに、野球がなければ、少子化の現在は(特に地方の)学校経営ができないというのは解せません。生徒が集まるかどうかは、その学校経営、教育の独自性等に依るものであって、知名度ではないと思います。きっちり運営している私学までが十把一絡げにされている現状を鑑みると、安易に野球に頼って良いのかと感じました。
本書では登場しませでしたが、「裏」ビジネスのもう一方の主役である生徒とその親の状況、発言がないのが残念でした。成功した人、辛酸な思いをした人、そういう人が振り返ってどう捉えているのか、踏み込んで書かれていればもっと状況が明確になったと思います。また、特待生とは無縁の学校からみた野球留学なども書かれていると、より「裏」ビジネスの歪さが鮮明になったと思います。

さすらい

さん
update: 2008/05/21

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