野中尚人
( のなか・なおと )1958年高知県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際関係論専攻博士課程修了。博士(学術)。比較政治学を専攻。現在、学習院大学法学部教授。著書に『自民党政権下の政治エリート』(東京大学出版会)、共著に『政治過程の比較分析』(放送大学教育振興会)、『フランス政治のメカニズム』(芦書房)、『公務員制度改革』(学陽書房)などがある。
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戦後日本の長きにわたって政権党であり続けた自由民主党。派閥ごとに結束し、年功序列型の人事制度をもち、後援会と各種業界団体に支えられたこの巨大政党は今、機能不全を起こし、そのシステムの骨格は既に崩壊している。かつて自民党が圧倒的な強さを発揮しえたのはなぜか、それがいま存在感を失いつつあるのはなぜか。歴史の視点、さらには国際比較の視点をも交えながらその来歴を明らかにし、これからの日本政治を展望する。
第1章 自民党システムへの反逆者、小沢一郎―小沢一郎と自民党システム(政治改革への執念と内部抗争
小沢の成功と失敗)
第2章 救世主にして破壊者、小泉純一郎―小泉純一郎と自民党システム(反経世会の政治手法
郵政民営化
小泉は自民党を壊したか?)
第3章 自民党システムとは何か?(「自然な与党」であり得た理由
人事のルールとそのシステム
合意を重視する意思決定)
第4章 歴史と比較から見た自民党システム(江戸から見た戦後日本政治
国際比較から見た自民党システムの成立)
第5章 自民党システムの終焉(自民党型「戦後合意」の崩壊
「戦後」から「冷戦後」、そしてグローバル化へ
新しい政治システムへの展望)
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