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ちくま新書

越境の古代史

——倭と日本をめぐるアジアンネットワーク

定価

836

(10%税込)
ISBN

978-4-480-06468-4

Cコード

0221

整理番号

767

2009/02/09

判型

新書判

ページ数

256

解説

内容紹介

古代の列島社会は、内と外が交錯しあうアジアのネットワークの舞台である。大王と異なるチャンネルで朝鮮諸国と結びつき、国内の政治を牽制する豪族たち。渡来人や留学生によって運ばれる技術・文化、そして政治的な思惑。外交と交易を独占し、中華的な国家形成を目指す日本王権と、国家の枠を飛び越え成長する国際商人の動き。倭国の時代から、律令国家成立以後まで、歴史を動かし続けた「人の交流」を、実証的に再現し、国家間関係として描かれがちな古代日本とアジアの関係史を捉え直す。

目次

序章 列島の古代史とアジア史を結ぶ視座
第1章 アジア史のなかの倭国史
第2章 渡来の身体と技能・文化
第3章 血と知のアジアンネットワーク
第4章 天皇制と中華思想
第5章 国際商人の時代へ
第6章 国際交易の拡大と社会変動
第7章 列島の南から

著作者プロフィール

田中史生

( たなか・ふみお )

1967年福岡県に生まれる。國學院大學大学院文学研究科日本史学専攻博士課程後期修了、博士(歴史学)。関東学院大学経済学部教授。専門は日本古代史。地域史や国際交流史研究を通し、列島社会の歴史的多元性・多様性・国際性の解明をすすめている。著書に『倭国と渡来人』(吉川弘文館)、『日本古代国家の民族支配と渡来人』(校倉書房)がある。

この本への感想

 9世紀の勉強を始めた私は、田中史生氏の論考が気になっていたので、入手しやすい一冊に感謝です。ざっと眺めて、情報量に満足。
 ただ、5世紀から11世紀までを一気にストーリーづけるなら、百済と新羅のあいだで揺らぐ古代日本の王権を、婚姻史から読み解く視点が欲しかったところです。女帝問題もありますしね。
 一般向きの読み物としては、韓流ドラマ『海神(ヘシン)』の張保皐(チャン・ボゴ)と平安京の怨霊信仰あたりに絞ったら、売れるんじゃないかと…。
 ところで、帯の「「日本」より先に、国際交流があった。」は、いかがなものでしょうか? 「日本」という国が成立して国境線のできる以前には、国際も越境もなかったのです。21世紀問題であるアジアの国際交流が先にありきの古代史観から、そろそろ卒業していただきたい。研究者は外国にお友達ができても、一般国民には関係のない国際交流ではないかしら?
 ともあれ、これから、ゆっくり読ませていただいきます。楽しみが増えました。
 

高塚タツ

さん
update: 2009/02/20

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