山口誠
( やまぐち・まこと )1973年東京都生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(社会情報学)。現在、関西大学社会学部准教授。専門はメディア研究、歴史社会学、文化研究。著書に「英語講座の誕生J(講談社選書メチエ)、『グアムと日本人――戦争を埋立てた楽園』(岩波新書)、共著に『カルテュラル・スタディーズ』(講談社選書メチエ)、『メディア史を学ぶ人のために』(世界思想社)、『「地球の歩き方」の歩き方』(新潮社)などがある。
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「最近の若者は海外旅行に行かなくなった」といわれて久しい。二十代の出国者数は一九九六年にピークを迎え、十年あまりで半減した。それを若者の変化だけで問題化するのは正しくない。海外旅行の形も、大きく変わってきたのである。本著は『何でも見てやろう』、「地球の歩き方」、『深夜特急』、「猿岩石」など、時代を象徴するメディアとそれらが生まれた社会状況を分析し、日本の若者が海外をどう旅してきたのかを振り返る。そして現在の海外旅行が孕む問題の本質を、鮮やかな社会学的アプローチで明らかにする。
はじめに―「なぜ最近の若者は海外旅行に行かなくなったのか」という問題
第1章 「海外」と「観光」の系譜
第2章 「歩く」旅の源流―1960s
第3章 日本の若者たちが、ヨーロッパを歩き出す―1970s
第4章 『深夜特急』に乗って、アジアを「発見」する―1980s
第5章 海外で「日本」を生きる―1990s
第6章 「買い・食い」中心の短期旅行、やがて旅行離れ―2000s
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