片田珠美
( かただ・たまみ )1961年広島県生まれ。精神科医。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。パリ第八大学でラカン派の精神分析を学ぶ。臨床経験にもとづき、心の病の構造を分析。現在、神戸親和女子大学教授。著書に『17歳のこころ』(NHKブックス)、『こんな子どもが親を殺す』(文春新書)、『薬でうつは治るのか?』(洋泉社新書y)、『無差別殺人の精神分析』(新潮選書)、『一億総ガキ社会』(光文社新書)などがある。(写真撮影坪田充晃)
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うつが激増している。とりわけ「新型うつ」と呼ばれる、従来とは異なるタイプの患者の増加が、社会現象にまでなりつつある。その背景には、診断マニュアルの改訂による「うつ」概念の拡大や、投与しやすい新しい抗うつ薬の登場がある。同時に、自分の病気を安易に他人のせいにしがちな新型うつ患者の増加現象の深層には、過剰な自己愛と、それを許す社会の変容という問題が潜んでいることも見逃せない。誰もがうつになりうる現代社会の病理を解明し、その処方箋を提示する。
はじめに―一億総うつ社会の到来
第1章 新型うつとは何か―従来型うつとの違い
第2章 診断と薬がうつをつくり出す
第3章 他人のせいにしたがるという病理
第4章 人間はみな自己愛が強い
第5章 なぜ自己愛の強い人が増えているのか
第6章 一億総うつ社会への処方箋
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