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定価

836

(10%税込)
ISBN

978-4-480-06672-5

Cコード

0236

整理番号

965

2012/06/05

判型

新書判

ページ数

224

解説

内容紹介

福島第一原発事故を起こし、経営破綻寸前だった東京電力。事故の直後の銀行による緊急融資に始まり、政府の支援公約、原子力損害賠償支援機構の設置、公的資金の注入と手厚い保護を受けて生き延びている。しかし、その裏では、財務省、経済産業省、銀行、官僚がそれぞれの組織の論理を押し通すために、権謀術数を繰り広げていた。なぜ東電は国有化されようとしているのか。すべての負担を国民に押し付ける政策はどのようにして決められたのか。その果てに、日本を待ち受けている悲劇とは。いままで誰も語ることができなかった真実に迫る。

目次

第1章 誰が東電を守ろうとしたのか?(不良債権化を回避したかった金融庁と銀行
財務省・経済産業省の“正義”
欠陥だらけの原賠支援機構築
監査法人も巻き込んだお化粧決算)
第2章 国民負担のための国有化路線(政治家を操る官僚の虚構
値上げと再稼動にお墨付きを与えた第三者委員会
矛盾を丸ごと抱え込む国有化)
第3章 電力と国家 混迷の原点(東電は「無過失」なのか
問題の発端となった半世紀前の落とし穴
過去の教訓が活かされない国)
第4章 日本にのしかかる巨大債務(膨大な除染コストのゆくえ
国家を破綻させるカネの問題)

著作者プロフィール

町田徹

( まちだ・てつ )

1960年大阪府生まれ。経済ジャーナリスト。神戸商科(現兵庫県立)大商経学部卒、日本経済新聞社入社。経済部キャップ、ワシントン特派員を歴任、雑誌編集者を経て、04年独立、「日興コーディアル証券『封印されたスキャンダル』」(月刊現代)で、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞・大賞」受賞。日本郵政経営私物化や日本航空(JAL)破綻をスクープ。取材・執筆活動の傍ら、総務省タスクフォース委員や大学講師も。著書に『巨大独占 NTTの宿罪』(新潮社)、『日本郵政解き放たれた「巨人」』(日本経済新聞社)など。

この本への感想

この本を読んで、透けて見えるのは
どうしてもやっぱり官僚の横暴。
いや、横暴と言っては気の毒か。彼らはそれしか知らない。
敗戦から立ち直り高度成長を遂げた時のシステムから変わろうとしていない。
一度是と決めたことは何が何でも守り抜く。
いいように解釈して捻じ曲げて、正解が変わらなければいいと思っている。
まあ誰しもそう言うことはある。
しかしそれを、国家権力がやってしまってはどうしようもない。
まして、こと「あらかじめ与えられた正解」を導き出すことにおいては最高の頭脳を持った連中が。

アメリカがこれだけ弱り、世界のしくみがかわっているのに、
なぜスキームを変えようとしないのか?
頭いいとは嘘っぱちで、馬鹿なんじゃなかろうか。

それで通用すると思っているのか?

東電を守ろうとするのは官僚だけではない。経済界、それも、重厚長大で赤字を垂れ流し、税金も払えないような
図体だけ大きい「大企業」も、過去のスキームの維持を支持する。

冗談じゃない。ベンチャーはぎりぎりのところで闘い、利益を出し、税金を払いながら、
日々闘っている。
なんで大企業はぬくぬくと、ぼんやりと働き、赤字を出して平気でいるのか。
そういう意味では総括原価方式に守られながらでも利益を出している東電はまだましなのか?と、皮肉を言いたくなる。

今回の東電の救済策、テレビや新聞のニュースではわからない部分を暴いているこの本、お勧めします。

まゆはる

さん
update: 2012/07/27

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