倉都康行
( くらつ・やすゆき )1955年生まれ。東京大学経済学部卒業後、東京銀行入行。東京、香港、ロンドンで国際資本市場業務に携わった後、97年よりチェースマンハッタンのマネージングディレクター。現在、RPテック代表取締役、産業ファンド投資法人執行役員、フィスコ非常勤取締役などを兼務。日本金融学会会員。主な著書に『金融史がわかれば世界がわかる』『世界がわかる現代マネー6つの視点』(ちくま新書)、『金融市場は謎だらけ』(日経BP社)、『ベーシック金融マーケット入門』(日経文庫)などがある。
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金融という場には、長い歴史のなかで形成された制度が残る。そうした遺構のうえに、現代的な問題が幾層にも積み重なっている。金や銀という一時代前の地金の問題、中央銀行の変化、変動する為替市場、金融技術の進展といった問題が複雑に絡み合っている。本書は、これらの相関を網羅的かつ歴史的にとらえ、世界の金融取引がどのように発展してきたかを観察する。旧版を大幅に改訂し、リーマン・ショックの衝撃やフィンテックの可能性などを検証しながら、実務的な視点から、今後の国際金融を展望する。
第1章 英国金融の興亡(ポンドと銀貨の長い歴史
ポンドがめぐり英国経済はまわる ほか)
第2章 米国の金融覇権(英国はなぜ動脈硬化に陥ったのか
新興国アメリカの挑戦 ほか)
第3章 為替変動システムの選択(ブレトンウッズ体制の時代へ
変動相場制の幕開け ほか)
第4章 変化する資本市場(金融技術の発展
世界が怯えた金融危機 ほか)
第5章 課題に直面する現代の金融力(ユーロと英国シティの危機
人民元はどこへ行く ほか)
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