宮川裕章
( みやがわ・ひろあき )1997年毎日新聞社入社。さいたま支局、東京社会部(警視庁などを担当)、外信部などを経て、フランス留学後、2011~15年パリ特派員。帰国後、外信部、経済部で取材。共著に『独仏「原発」二つの苦悩』(筑摩選書)『時効廃止論』(毎日新聞社)がある。
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一国の今は過去を抜きに語れない。華やかに語られることが多いフランスも例外ではない。第一次大戦の激戦地では現在も、不発弾と兵士の遺体で住めない村がある。第二次大戦中のユダヤ人の強制連行への加担の事実は、その重さゆえに負い目としてフランス人の心にのしかかる。アルジェリア戦争を戦った現地兵「アルキ」への冷たい処遇は人権の国の根幹を揺るがす。それらが「悪に抵抗した少数の英雄」レジスタンスの記憶にすがりたい心情につながっている。歴史に苦悩するフランスの姿を、多くの証言から紐解くルポルタージュ。
第1部 第一次世界大戦(撃ち込まれた一四億発―不発弾処理
永田丸の記憶―同盟国だった日本とフランス
反戦の英雄―理想となったジャン・ジョレス)
第2部 第二次世界大戦(ユダヤ人移送の十字架―背負い続ける罪
「ヴィシー政権」―対独協力の記憶
悲劇からの出発―オラドゥール村の葛藤
レジスタンスとフランス―心の拠り所
ドゴール・フランス・アルジェリア―残った遺恨)
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