竹下節子
( たけした・せつこ )比較文化史家・バロック音楽奏者。東京大学大学院比較文学比較文化修士課程修了。同博士課程、パリ大学比較文学博士課程を経て、高等研究所でカトリック史、エゾテリズム史を修める。フランス在住。著書に『ヨーロッパの死者の書』『キリスト教の真実』『女のキリスト教史』(以上、ちくま新書)、『ジャンヌ・ダルク』(講談社学術文庫)、『ローマ法王』(角川ソフィア文庫)他多数。
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古来、人々は疫病とどのように向き合ったのか。律法により衛生管理を徹底し「穢れ」を排除したユダヤ教、病者を癒す数々の奇跡に彩られたキリスト教。その二つが近代西欧精神の根幹となった。聖書で描かれる病者たち、中世の聖者や王による治療、そして神なき現代社会で不老不死を目指す医学。ペスト、赤痢、コレラ、スペイン風邪、コロナ……、古代から現代まで、疫病に翻弄される世界の歴史を描き、人々の精神の変遷を俯瞰する。
はじめに―いま、宗教の役割とは何か
序章 新型コロナとキリスト教
第1章 疫病は聖書でどう描かれたか
第2章 キリスト教と医療の伝統
第3章 疫病と戦う聖人たち
第4章 イエスは手を洗ったのか―「清め」と衛生観念
第5章 疫病に翻弄された西洋―ペスト・赤痢・コレラ・スペイン風邪
終章 医学か宗教か
おわりに―思考停止に陥らないために
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