藤田正勝
( ふじた・まさかつ )1949年生まれ。京都大学名誉教授。京都大学大学院文学研究科およびドイツ・ボーフム大学哲学部ドクター・コース修了。哲学博士。専門は哲学・日本哲学史。著書『哲学のヒント』(岩波新書)、『はじめての哲学』(岩波ジュニア新書)、『大正史講義【文化篇】』(共著、ちくま新書)など。
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『善の研究』は西田の最初の著作ながら、晩年に至るまでの思索全体を貫く考え方が示されている主著。その魅力は、西洋の哲学と格闘しながら、その不十分性を乗り越えて物事の真相に迫ろうとする西田の思いがそのまま表現されている点にある。仏教や儒教など、東洋の思想的な伝統をも踏まえた広い視野で哲学の世界に新しい眺望を切り開いた本書の面白さや意義を分かりやすく解説。西田の思考を丁寧に読み解き、西田が何を語ろうとしたのかを深く掘り下げて明らかにする、格好の西田哲学入門。
第1章 『善の研究』はどういう書物か
第2章 実在(考究の出立点―西田は何をめざしたのか
「実在の真景」
真実在の形式
統一と差別)
第3章 善(善とは何か
善と快楽(幸福)
人格の実現
西田の倫理観)
第4章 宗教(西田は宗教をどのように理解していたか
神
西田とドイツ神秘主義
西田哲学と禅
西田哲学と他力の信仰)
第5章 純粋経験(純粋経験とは何か
純粋経験と言葉の問題純粋経験と思惟)
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