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ちくま新書

会社の値段[新版]

ちくま新書の名著が20年ぶりに大アップデート!

会社の「正しい」売り買いこそが、株式市場を健全に活性化させる。「M&A」から「株式投資」まで丁寧に解説し、勤勉な人が損をしない金融リテラシーを提供する。

定価

1,012

(10%税込)
ISBN

978-4-480-07737-0

Cコード

0234

整理番号

1912

2026/04/07

判型

新書判

ページ数

256

解説

内容紹介

ちくま新書の名著が20年ぶりに大アップデート!

世界のトップ50社に、日本企業は1社だけ──
なぜ「御社」の価値は落ち続けたのか?

失われた10年が30年になったその間にも日本の個人金融資産は1400兆円から2000兆円以上に増えました。その富の保有者であるはずの国民の多くは、なぜ豊かさを実感できないのか? この素朴な疑問を考えてゆくと、経済の血液であるお金の循環が滞り、自由資本主義の原点、つまりリスクを取って新しい事業・産業に投資してイノベーションを起こす「アニマル・スピリット」が発揮されにくい30年を日本社会が過ごしてきたからではないかと思い至ります。(本文より)


「企業買収」などと言うと眉を顰める人は多い。しかし、株式会社というものは、そもそも少ない元手で大きな事業を起こすための「会社を売り買いする仕組み」ではなかったか。高品質の製品やサービス、優秀な社員、行き届いたサービス、伝統のブランド、これらの価値を正しく算定する「会社の値段」の考え方を知れば、資本主義システムの本質も、今朝の経済ニュースも腑に落ちる。失われた三〇年を経て、日経平均株価が最高値を更新し、金利のある世界が戻ってくる時代、この一冊で金融リテラシーを高める。

目次

【目次】
新版の出版にあたり──会社の値段がわかると日本の失われた30年が見えてくる

はじめに

【基礎編】
第1章 なぜ会社に値段をつけるのか
日本人の伝統的会社観/株式会社と資本主義の誕生/公開株式市場への発展/二〇世紀米国の資本主義/日本の資本主義/日本の「失われた三〇年」の根底にあるもの/株式上場もM&Aも中身は同じ/対照的だった東芝と日立/反対者の言い分──マネーゲーム、格差拡大/カネで買えないものはない、でいいのか?/ベンチャー起業家は本当に稼いでいるのか?

第2章 「米国流」の基本ルール──ファイナンス的思考
「米国流」がグローバルスタンダードな理由/投資価値算定の万国共通ツール/永遠に同じキャッシュを生みつづける金融商品の値段/お金の時間価値──現在価値という発想/企業価値算定の原理/リスクを数値化する/最低限覚えておくべき公式

第3章 会社は誰のものなのか?
株主至上主義の紆余曲折/所有と経営の分離から一九六〇年代M&Aブームまで/一九八〇年代以降──株主の逆襲/株主至上主義のベースにある新自由主義/会社の利益は誰のもの?/権利は株主が持っている/ドラッカーはさらに厳しい

第4章 「のれん」の値段は経営者の評価  
企業価値と会社の値段の全体像/企業価値の本質/借金が多いほど企業価値が高い?/ブランドや人材の価値は本当に含まれている?/株価から会社の値段を計算する際の落とし穴/企業価値評価とは経営者評価

【応用編】
第5章 会社の値段は誰がどうやって決めるのか?
市場の「声」を聞く/倍率と割引率は同じこと/M&Aではキャッシュフロー倍率/PBRはのれん価値創出力/PBRを改善するには/のれん価値創出力を測るツール/「客観的に正しい企業価値」はあるのか

第6章 M&Aにおける会社の値段
失敗するのは「高すぎる値段で買ったから」/基本は同じ──類似会社・取引を参照する/コングロマリット多角化企業の評価方法も同じ/流動性と隠れた債務/プレミアム算定のためのDCF方式/M&Aの理由をDCFで表現する/プレミアムの源泉は二つ/支配権プレミアムの上限を探る

【実践編】
第7章 日本が追いかけた米国
様変わりしたトップ企業/日本人の資産とインベストメント・チェーン/1980?90年代の米国株式市場変化/機関投資家の拡大とコーポレートガバナンス/LBO・敵対的M&Aの防衛策/強いアメリカの復活と株主至上主義

第8章 銀行中心時代の終わりとファンド黒船の到来
高度経済成長の終わりからバブル崩壊へ/バブル崩壊から貸し渋り、ハゲタカファンドの登場/事業再生という手法/事業再生と企業スキャンダルのつながり/民事再生法と産業再生機構/新陳代謝が進まないその後の日本/ファンドがサヤ取りで儲ける世界/ファンドが狙う会社・業界はひと目でわかる?/M&Aという出口戦略/日本社会への教訓と課題

第9章 外圧と政府が促した日本企業の構造変革
アベノミクスは変革への基盤整備/インベストメント・チェーンの高度化/贅肉を極限まで削る米国流/やりすぎの米国流と勘違いしがちな日本企業/コングロマリット大企業への構造改革プレッシャー/アクティビストと正面から向き合ったソニー/ファンド株主に翻弄された東芝/グローバル競合に倣いファンドを使って自己変革した日立

第10章 M&A攻防戦に見る日本の変化
敵対的M&Aがなくなる?/ライブドアによるフジテレビ支配権奪取の試み/米国の敵対的M&A合戦──ディズニーの場合/2025年のフジテレビをめぐる攻防/外資からの攻勢へのセブン&アイの対応/ガバナンスの効いた模範的対応?/セブンが海外企業に狙われた理由/日本の株主投資家は温厚すぎる?

最終章 会社の値段を通して見る資本主義とM&Aの未来
「株主が王様」vs.「お客様が神様」/「消費者余剰」社会と「超過利潤(レント)」社会/日米の投資家姿勢は変化したのか/「自分の値段」算定

おわりに

著作者プロフィール

森生明

( もりお・あきら )

森生 明(もりお・あきら):1959年大阪府生まれ。京都大学法学部、ハーバード・ロースクール卒。日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)、ゴールドマン・サックス証券にてM&A(企業買収)アドバイザー業務に従事。その後、米国上場メーカーのアジア事業開発担当副社長、日本企業の経営企画・IR担当を経て、1999年独立。現在はグロービス経営大学院や法人研修で講師を務める。著書に『MBAバリュエーション』(日経BP社)『バリュエーションの教科書』(東洋経済新報社)がある。NHKドラマおよび映画「ハゲタカ」の監修を担当。

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