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ちくま学芸文庫

日本文学史序説 (下)

従来の文壇史やジャンル史などの枠組みを超えて、幅広い視座に立ち、江戸町人の時代から、国学や蘭学を経て、維新・明治、現代の大江まで。

従来の文壇史やジャンル史などの枠組みを超えて、幅広い視座に立ち、江戸町人の時代から、国学や蘭学を経て、維新・明治、現代の大江まで。

定価

1,650

(10%税込)
ISBN

978-4-480-08488-0

Cコード

0195

整理番号

-13-2

1999/04/08

判型

文庫判

ページ数

592

解説

内容紹介

日本人の心の奥底、固有の土着的世界観とはどのようなものか、それは、外部の思想的挑戦に対していかに反応し、そして変質していったのか。
従来の狭い文学概念を離れ、小説や詩歌はもとより、思想・宗教・歴史・農民一揆の檄文にいたるまでを“文学”として視野に収め、壮大なスケールのもとに日本人の精神活動のダイナミズムをとらえた、卓抜な日本文化・思想史。いまや、英・仏・独・伊・韓・中・ルーマニアなどの各国語に翻訳され、日本研究のバイブルとなっている世界的名著。

◆下巻は、江戸期町人の文化から、国学・蘭学を経て、維新・明治・大正から現代まで。

目次

第8章 町人の時代
教育・一揆・はるかな西洋
文人について
富永仲基と安藤昌益
心学について
忠臣蔵と通俗小説
平賀源内と蘭学者たち
梅園と蟠桃
本居宣長
上田秋成と国学者たち
歌舞伎と木版画
笑いの文学

第9章 第四の転換期 上
近代への道
国体と蘭学
詩人たち
日常生活の現実主義
町人の逃避
農民たち

第10章 第四の転換期 下
吉田松陰と一八三〇年の世代
福沢諭吉と「西洋化」
中江兆民と「自由民権」
成島柳北と江戸の郷愁
一八六八年の世代
露伴と鏡花
鈴木大拙と柳田国男
子規と漱石
鴎外とその時代
内村鑑三と安部磯雄
「自然主義」の小説家たち〈一〉
幸徳秋水と河上肇
有島武郎と永井荷風

第11章 工業化の時代
一八八五年の世代
谷崎潤一郎と小説家たち
木下杢太郎と詩人たち
一九〇〇年の世代
マルクス主義と文学
芥川龍之介とその後
外国文学研究者と詩人たち
三つの座標

終章 戦後の状況
戦争体験について
「第二の開国」について
高度成長管理社会について

著作者プロフィール

加藤周一

( かとう・しゅういち )

1919―2008年。東京生まれ。東京帝国大学医学部卒。早くからヨーロッパ文学や日本の古典文学を読む。戦後、多彩な執筆活動を展開。中村真一郎・福永武彦と『一九四六・文学的考察』『マチネ・ポエティク詩集』などを刊行。その他、『芸術論集』『羊の歌』(正・続)『夕陽妄語』『日本文学史序説』(上・下)『言葉と戦車を見すえて』など多くの著書があり、『加藤周一著作集』(全24巻)に集大成されている。つねに広い視野に立って、文明批評を展開。カナダのブリティッシュ・コロンビア大学をはじめ、ドイツ、イギリス、アメリカ、スイス、イタリアの大学や、上智大学、立命館大学などで教鞭をとる。2004年、平和憲法擁護の「九条の会」の呼び掛け人となる。

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