ちくま学芸文庫
悪文の構造
─機能的な文章とは
千早耿一郎
著
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日本人のセクシュアリティは、文明開化による「西洋性科学」の流入をうけ、大きく変貌する。それまで自然なものにすぎなかった「性欲」に人々の意識は強く囚われるようになり、その中心に特権化された身体部分=性器が据えられる一方で、色情は貶められ貞操が重視される。この流れのなかで、性を制御・隠蔽しつつ、「強い男/弱い女」幻想を作りあげ戦争推進力へと変換する、巧妙な中間装置となったのが、「家族」であった。近代日本の性の変遷を、通俗的な書物や図版をもとに、緻密に解析する。
序 透谷、処女を論ず
第1章 色情のエチカ
第2章 文明開化のセクソロジー
第3章 性欲の時代
第4章 性家族の肖像
第5章 男らしさの病と女らしさの病
第6章 戦争と母性愛の時代
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