斎藤美奈子
( さいとう・みなこ )斎藤 美奈子(さいとう・みなこ):1956年生まれ。文芸評論家。1994年『妊娠小説』でデビュー。2002年『文章読本さん江』で第1回小林秀雄賞受賞。他の著書に『学校が教えないほんとうの政治の話』『中古典のすすめ』『日本の同時代小説』『忖度しません』『挑発する少女小説』『出世と恋愛』『あなたの代わりに読みました』『ラスト1行でわかる名作300選』ほか多数。
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2020年代前半、いったい何が起こっていたのか。
コロナ禍、安倍元首相銃撃事件から露呈した社会の歪みとは。
本を読んで考えつづけた46の同時代批評
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「考えるために、まず本を読む」。毎月ひとつのテーマに沿って3冊の本をとりあげ、読んで考えたことを書く。文芸評論家の斎藤美奈子によるPR誌「ちくま」人気連載「世の中ラボ」を書籍化!
新型コロナウイルス・パンデミック、ジャニーズ事件に端を発する性暴力の顕在化、安倍元首相銃撃事件とポスト安倍時代の政治と経済……2020年代前半の諸問題を、本を通して考える同時代批評。
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このところ、新聞、雑誌、テレビといった「オールドメディア」への風当たりが強い。誰も新聞なんか読まねーよ、みんなが見ているのはSNSやユーチューブだよ。
んなこたぁわかってるわ、と思う半面、アルゴリズムによるネットメディアの情報の偏りやデマの横行は目に余る。オールドメディアは今、踏ん張りどきなのだ。加えてセカンドオピニオンとして参照すべきは書籍である。解がわからぬ案件が出てきたら本を読め! 最低三冊は読め!
そんな思いで、二〇〇六年夏から「世の中ラボ」のタイトルで、毎月三冊の本を読み、その時々の話題を掘り下げる連載を続けてきた(連載はPR誌「ちくま」で現在も続行中)。……本書は、この連載をまとめたシリーズ4冊目にあたる。
(あとがきより)
安倍晋三後の政治 2020年10月~2025年2月
安倍から菅へのしょうもない権力委譲
赤旗と秋田魁新報に見るスクープの舞台裏
岸田と枝野の政策ビジョンを読む
コロナ不況下で浮揚した積極財政論を学ぶ
コロナ下で強行された東京五輪を総括する
統一教会と自民党、その恐るべき癒着の構造
役に立たない「異次元の少子化対策」
自民党「裏金問題」を掘り直す
コロナ禍と災害 2021年7月~2025年4月
第四波の中で最新の「コロナ小説」を読む
第五波の中で再び最新の「コロナ小説」を読む
発生二年。現場発の「コロナ戦記」でわかること
地方が舞台の「コロナ小説」を読む
コロナ明け後の「コロナ小説」は変わったか
あっと驚く、南海トラフ地震の欺瞞
災害対応に女性視点を生かすには
人権問題と差別の諸相 2020年8月~2025年1月
小池百合子の「女帝」扱いにひそむ盲点
ブラック校則と子どもの人権
ウィシュマさん事件の背後にある入管の闇
「宗教二世」を描いた小説から読み取れること
安倍銃撃事件から考える、ロスジェネと犯罪
多様性の時代の「アイヌ民族差別」とは
ギャンブル大国・日本が生んだ依存症
ここが問題。知らずにやってる年齢差別
兵庫県パワハラ知事問題と公益通報
MeToo時代の性と性暴力 2022年9月~2025年5月
性暴力の?末を描いた日台韓の文学作品
ノーベル文学賞と妊娠中絶の隠れた関係
ジャニーズ事件で考えた、少年の性被害
ジャニーズ事件から学ぶ「ビジネスと人権」
松本人志事件に見る、芸能界と不同意性交
中居正広事件を生んだフジテレビの企業風土
世界標準の包括的性教育から始めよう
エンタメの裏に社会あり 2020年12月~2024年10月
新世代の在日文学は何を語る?
人生の最晩年を明るく描くシニア小説
少女が天下を取りにいく、本屋大賞候補作
なぜ続く、韓国ドラマの快進撃
朝ドラ「らんまん」は二人の妻を描けるか
大河ドラマに備えて紫式部の人生を予習する
「虎に翼」が「攻めの朝ドラ」になった理由
過去を見て今を問う 2021年2月~2024年1月
石牟礼道子が現代に問いかけること
資本主義を問い直す、二一世紀のマルクス
西側が報道しないタリバンの別の顔
旧ソ連の女性兵士が戦場で体験したこと
沖縄返還の裏にあった日米と官民のズレ
関東大震災一〇〇年の年に読む「虐殺の背景」
一から学ぶイスラエルとパレスチナ
土偶をめぐるファクトチェックの意味
あとがき/本書で取り上げた本
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