訟師の中国史 ─国家の鬼子と健訟

夫馬 進

中国はかつて訴訟を助ける訟師(しょうし)が跋扈する訴訟だらけの「健訟」社会だった。宋代から清末にかけて暗躍し、蛇蝎の如く嫌われた訟師の実態を描き出す。

訟師の中国史 ─国家の鬼子と健訟
  • シリーズ:
  • 2,090円(税込)
  • Cコード:0322
  • 整理番号:
  • 刊行日: 2024/04/15
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:四六判
  • ページ数:352
  • ISBN:978-4-480-01795-6
  • JANコード:9784480017956

この本の内容

訟師とは人びとの訴訟を助けた者たちである。彼らは狡智にたけた悪党とみなされ、清代では職業として訴状を代作しただけで、しばしば死刑一歩手前の重刑が科せられた。しかし実際には、それは中国国家が自ら生み出した鬼子であった。宋代以降、訴訟が多発する健訟社会となったのだが、伝統的な政治思想と訴訟制度そのものが逆に人びとに訟師を必要とさせたからである。また訟師には訟師であることに誇りを持つ者さえいた。訟師の全体像を中国史と世界史のなかで初めて明らかにする。

この本の目次

序章 訟師というカギ
第1章 悪訟師のイメージ
第2章 訟師有用論
第3章 伝統中国の訴訟制度
第4章 訴状への虚偽と誣告の書きこみ
第5章 私代書の容認から処罰へ
第6章 積慣の訟棍
第7章 名士と犯罪者のあいだ
第8章 北京への直訴
第9章 世界史のなかの訟師
第10章 江戸との相違
第11章 訟師自身による訟師観
第12章 訟師の終焉
終章 現代中国の訴訟制限

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