loading...

ちくま新書

カラー新書 入門 日本美術史

外来文化の流入×独自の熟成 日本の美術は面白すぎる!

外来文化の模倣と、独自の熟成。その繰り返しの中から、名作の数々が生まれた。目からウロコの楽しい知識満載、カラー図版多数。面白すぎる日本美術史入門。

定価

1,430

(10%税込)
ISBN

978-4-480-07653-3

Cコード

0270

整理番号

1835

2024/12/05

判型

新書判

ページ数

288

解説

内容紹介

外来文化の流入×独自の熟成

日本の美術は面白すぎる!

日本美術史の流れには、大きな波がある。
外来文化をひたすら取りいれ真似する時代と、それを熟成させる時代と。
ほっそりした飛鳥仏も、ハッタリの天守閣に合う金箔べったりの屏風絵も、すべての名作は、そうした繰り返す時代の波の中から、登場してきた。
楽しくて目からウロコの知識満載。役に立つコラムに、カラー図版多数。

――こんな授業が受けたかった!

目次

はじめに――日本美術史の波
0  仏教伝来以前――何を拝んでいたか?
見えない神々/神の姿を形作らない/仏像を見てびっくりする…ほか

1 飛鳥時代の仏像――どうして細い?
聖徳太子のために/アルカイックスマイル/細い仏像を貧弱に見せないために/お手本は北魏/横から見たほうがきれい/絵画もほっそり…ほか

2 奈良時代――美の基準はなぜ変わった?
白鳳時代のかわいい仏像/中国のかわいい仏像/中国のマッチョな仏像/白鳳か天平か/東大寺大仏建立/鑑真とともに伝わったもの…ほか

3 異色の仏教――密教とは何なのか?
迫力で勝るヒンドゥー教/大日如来という新キャラクター/空海、密教に出会う/東寺講堂の立体曼荼羅/色っぽい仏像…ほか

4 浄土信仰――死後のために頑張る?
末法思想/阿弥陀の誓願/阿弥陀浄土図/浄土堂/阿弥陀如来像/阿弥陀来迎図/臨終掛け/地獄絵と六道絵……ほか

5 一二世紀の絵巻――なぜ大人が熱狂する?
「女子供」のための絵巻から/絵巻マニアの後白河上皇/絵巻のジャンル(女絵)/劇画のような絵巻/嗚呼絵というジャンル…ほか

6 慶派――奈良仏師なぜ成り上がった?
売れない奈良仏師/運慶の野心/販路を東国へ/東大寺大仏炎上/巨像を造る/運慶とその息子たち/ちょっと違う快慶…ほか

7 肖像画――禁忌からブームへ
肖像画はタブー/僧侶ならOK/一人の天才が流れを変える/似絵の家系/新仏教のカリスマたち/武士だって絵に残したい…ほか

8 水墨画――新技術をいかに学ぶか
瓢?から駒/モノクロで3D/留学僧だけが描ける絵/将軍も参加した詩画軸/売れない雪舟/遅い再スタート/中国帰りで売り出す/模写から得たもの……ほか

9 戦略としての絵画――ハッタリの天守閣に合う絵とは? 
なんともタフな狩野派/時代が変われば絵も変わる/天主閣に似合う絵とは/ライバル長谷川等伯の台頭/楓図と桜図/松林図?風…ほか

10 狩野派その後――徳川時代を生き抜くためには?
狩野派の三面作戦/スター誕生/時代に似合う絵/データベース『探幽縮図』/ファミレス化する狩野派/かわいそうな探幽/狩野派からはみ出した画家たち…ほか

11 琳派――出身も時代も場所もばらばらで?
芸術目利き:本阿弥光悦/扇屋の発想:俵屋宗達/呉服屋のぼんぼん:尾形光琳…ほか

12 浮世絵の始まり――「かけそば一杯分」になるまで
大名が熱を上げる:寛永風俗画/少しはお求めやすい価格に:寛文美人図/はじまりはエロ版画:菱川師宣/墨摺り手彩色/絵暦オタクたちの功績:鈴木春信/歌麿の販売戦略/幕末の美学/京都の変な画家たち…ほか

13 北斎と広重――風景のなにが面白い?
浮世絵の規制から/江戸の旅行ブーム/あれもこれも:葛飾北斎/その後の北斎/火消しから浮世絵師へ:歌川広重/開化錦絵/ジャポニスム/歌川国芳…ほか

14 西洋画の導入――なぜ日本人はミレーと印象派が好き?
南蛮画/西洋画にあって日本画にないもの/洋風画/黒田清輝の帰国/二種類の油絵/東京美術学校西洋画科/裸体画論争/優等生の反逆:萬鉄五郎/西洋美術を遡る:岸田劉生…ほか

15 日本画のゆくえ――西洋画にあって日本画になかったものは?  
京都の写生画:円山応挙/明治の日本美術:フェノロサと岡倉天心/新たな日本画/明治の超絶技巧/美術学校騒動と日本美術院…ほか

豆知識①仏像の種類 如来・菩薩・天・明王/豆知識②東洋画の絵具/豆知識③絵は何に描くか

おわりに 現代美術 ―― あなたにとっての美術

著作者プロフィール

山本陽子

( やまもと・ようこ )

山本陽子(やまもと・ようこ):1955年、東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科(美術史)博士課程後期単位取得。博士(文学)。東邦音楽大学、明星大学、跡見学園女子大学、早稲田大学、東京純心女子大学、多摩美術大学、一橋大学大学院、お茶の水女子大学非常勤講師を経て、現在、明星大学人文学部教授。専門は日本中世絵画史。主な著書に、『絵巻における神と天皇の表現――見えぬように描く』(中央公論美術出版、2006年)、『絵巻の図像学――「絵そらごと」の表現と発想』(勉誠出版、2012年)、『図像学入門――疑問符で読む日本美術』(勉誠出版、2015年)、『はじめての日本美術史』(山川出版社、2018年)、『物語る仏教絵画――童子・死・聖地』(勉誠出版、2023年)などがある。

メディア情報

本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。

  • [*]は必須項目です。おそれいりますが、必ずご記入をお願いいたします。
  • (ここから質問、要望などをお送りいただいても、お返事することができません。あしからず、ご了承ください。お問い合わせは、こちらへ)
  • ※お寄せいただいたご意見・ご感想の著作権は小社へ帰属し、当ホームページや小社出版物に転載させていただく場合がございます。
  • ※ご意見・ご感想への返信はいたしておりません。ご了承ください。

「ちくま新書」でいま人気の本

いま話題の本