黒坂真由子
( くろさか・まゆこ )黒坂 真由子(くろさか・まゆこ):ライター、編集者。中央大学を卒業後、出版社勤務をへてフリーランスに。学習障害の息子がいる。日経ビジネス電子版で「もっと教えて!『発達障害のリアル』」を、朝日新聞EduAで「学習障害 我が家の場合」を連載。the Letterで「黒坂真由子の発達障害レポート」を配信。著書に『発達障害大全――「脳の個性」について知りたいことすべて』(日経BP)などがある。
loading...
自分の脳の特性がわかれば、自分に合う勉強法が見えてくる
===
「勉強ができない」のは努力不足だから? お手本を写せず漢字も苦手な一方、将棋では驚くほどの上達を見せた息子。その不思議な姿を入り口に、学習障害や脳の特性、家庭や学校の環境とのかかわりを徹底取材。「できない」の裏側にある意外な理由を解き明かす。学びの謎をめぐる探究の旅へ出かけよう。
===
このテーマで私が本を書くことにしたのは、私自身、「息子は勉強ができない」と思い込んでいたからです。小学生の頃の息子は、目の前にある漢字のお手本を写すことができませんでした。漢字を書こうとすると、線が多いか、少ないか、横に書くべき線が縦になるかなどしていました。私は横で宿題をする息子を見ながら、「なぜ、書けないのか?」ということをずっと考えていました。
「勉強ができない」息子でしたが、将棋はすぐに覚えて、あっという間に私より強くなりました。将棋の上達は、びっくりするくらい早いものでした。
文字がうまく書けない息子と、将棋の強い息子。この二つをつなぐものは何なのか。「勉強はできない」けれど、将棋はできる理由はどこにあるのか。その答えを求めて、取材を始めることになりました。9年ほど前のことです。
この本を書くことができたのは、9年前のこの素朴な問いへの探究が、最初のステージをクリアしたからです。そうです、「勉強ができない」には、ちゃんと理由があったのです。
専門家の話、たくさんの研究、積み重なる本を読み、息子と一緒に学ぶうえでわかった「勉強ができない理由」は、誰にでも当てはまる一つの回答ではありませんでした。しかし「勉強ができない」ということはどういうことなのかを、教えてくれました。そして「勉強ができない」には、脳の話や環境の話を含め、たくさんの理由があることも教えてくれました。
(「はじめに」より)
第1章 苦手は誰にでもある[教室を探究]
第2章 超複雑な脳の仕組み[脳の探究]
第3章 理解できるのに、「勉強ができない」のはなぜか? [学習障害の探究]
第4章 足りないのは努力ではなく、理解と環境[方法を探究]
第5章 自分を知り、戦略を練る[自分の探究]

これまで10代のために選ばれる本はほとんどがフィクションでした。しかし「考え続ける力」を身につけるにはノンフィクションが最適です。10代のためのノンフィクションシリーズを作ろう!――そんな思いから生まれたのが「ちくまQブックス」です。
推薦のことば

本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。