すべての季節のシェイクスピア
シェイクスピア全作品翻訳のためのレッスン。26年に亘る翻訳の前に年間100本以上観てきたシェイクスピア劇と主要作品について綴ったエッセイ。
2021年、シェイクスピア全集、個人全訳を完結した著者は、翻訳を開始する直前、年間100本以上のシェイクスピア劇を観続けていた。代表的14作品を、演じられた舞台に即して「男と女の力学」「闇の中の輝き」「この世は仮装パーティ」等のテーマに分類し、掘り下げていく。シェイクスピア劇が10倍楽しくなるエッセイ。文庫化にあたり、全集最終巻「終わりよければすべてよし」についての書下ろしと全作品翻訳開始後のインタビューを加えた。
第1幕 男と女の力学(『ロミオとジュリエット』―別れがこんなに甘く切ないなら
『夏の夜の夢』―何もかもが二重に見える ほか)
第2幕 闇こそ輝く(『リチャード三世』―歩きながら俺の影法師を眺めていられるよう
『ヴェニスの商人』―ああ、俺のキリスト教徒の金 ほか)
第3幕 この世は仮装パーティ(『間違いの喜劇』―この世界にとって俺はひとしずくの水
『お気に召すまま』―ひと目惚れでなければ恋にあらず ほか)
第4幕 時間がみた夢(『リア王』―忍耐だ。我々は泣きながらここへやってきた
『冬物語』―並居る皆様を驚かせて差し上げて ほか)
第5幕 視線の政治学(『ハムレット』―見られずに見て…
『終わりよければすべてよし』―失ったものを褒め称えれば、思い出は貴重になる)
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