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ちくま新書

昆虫はなぜ海にいないのか

生命科学の成果から、地球最大の種の謎に迫る。

100万種以上の存在が確認され、地球上で最も繁栄している生物ともいわれる昆虫。分子生物学・ゲノム科学を含む昆虫研究の成果から、海にいない理由に迫る。

定価

1,056

(10%税込)
ISBN

978-4-480-07756-1

Cコード

0245

整理番号

1925

2026/07/07

判型

新書判

ページ数

272

解説

内容紹介

生命科学の成果から、地球最大の種の謎に迫る。

昆虫は、100万種以上の存在が確認されていて、地球上で最も繁栄している動物とも言われます。しかし、昆虫は海にはほとんどいません。それはいったいなぜでしょうか? 本書では、分子生物学やゲノム科学を含むさまざまな昆虫研究分野の成果を紹介しつつ、この疑問に迫ります。

「本書は、「海にいない理由」を単純に解説する本ではありません。むしろこの問いを入り口として、「昆虫とはそもそも、どのような生き物なのか?」を考えていく本です。そのため、昆虫という存在を現代科学的に捉え直すことに重点を置いています。」

目次

はじめに
発端となる共著論文/都立大のプレスリリース/仮説の背景/本書の特徴

第1章 昆虫の科学
1 マクロな昆虫研究
ファーブル的研究者?/北海道大学の昆虫体系学教室/異分野交流の有効性/キイロショウジョウバエ
2 研究手法の発展
エピジェネティクス/進化の新仮説/研究に適したショウジョウバエ/遺伝子研究手法の革命/加速する研究/PCRは革命的発明だった/次世代シーケンシング/昆虫ゲノムの関連プロジェクト
3 分類学の革命
クシクラゲとヒトの系統のちがい/昆虫史の空白期間/最も昆虫に近いけど昆虫ではない/形態学と遺伝子配列の関係
4 外骨格そのものに関する研究
外骨格研究の最前線/タンパク質の科学

第2章 昆虫の誕生
1 昆虫の起源についての仮説
無脊椎動物/昆虫は多足類に近い?/昆虫は甲殻類に近い/最初の分岐は鋏角類/大顎類の誕生
2 海の昆虫、甲殻類
形態的に、最も多様な甲殻類/甲殻類で、昆虫にいちばん近いのは?/陸上甲殻類とカルシウム
/魚の進化/魚の鱗とキチン
3 原始六脚類は、昆虫未満?
カマアシムシ、トビムシ、コムシは昆虫か/昆虫と非昆虫六脚類を隔てる形態的特徴/六脚類と
甲殻類

第3章 昆虫を昆虫たらしめるもの
1 そもそも昆虫とは?
2 鍵は外骨格
皮膚としての外骨格/外骨格は生きた場所/さまざまな外骨格構造
3 外骨格で起きていること
外骨格で生じる化学反応/より化学の話/マルチ銅オキシデース

第4章 昆虫は酸素をどう利用しているのか
1 メラニン合成
フェノール酸化酵素と免疫反応/生体防御研究/酸素の運搬
2 昆虫のサイズ
気管系の容積/気管での酸素運搬
3 酸素と外骨格
重要な研究/マルチ銅オキシデース2/昆虫の陸上適応/カルシウム不足の問題/外骨格内の水/虫はなぜ飛ぶのか/昆虫独自の外骨格形成システムが進化したタイミング

第5章 昆虫はなぜ海にいないのか
1 水に戻る
さまざまな水生昆虫
2 どのような昆虫が海にいるのか?
ウミアメンボ/アザラシシラミ/ウミユスリカ
3 昆虫が海にいない理由
独自の仮説/最後のまとめ

おわりに

索引

著作者プロフィール

朝野維起

( あさの・つなき )

朝野 維起(あさの・つなき):1971年北海道生まれ。北海道大学大学院博士課程修了(地球環境科学)、現在は東京都立大学大学院助教(理学)。専門はタンパク質化学、分子生物学。『脱皮と変態の生物学』(東海大学出版会)『カイコの実験単』(エヌ・ティー・エス)『カイコの科学』(朝倉書店)『昆虫工学』(コロナ社)『現代化学』(東京化学同人)『Extracellular Composite Matrices in Arthropods』(シュプリンガー・ネイチャー)などで執筆(共著)。好きなもの:ハエトリグモ、ヤモリ、「水どう」。

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