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ちくま新書

憲法と平和を問いなおす

護憲・改憲の呪縛をとく!

情緒論に陥りがちな改憲論議と冷静に向きあうには、そもそも何のための憲法かを問う視点が欠かせない。この国のかたちを決する大問題を考え抜く手がかりを示す。

定価

1,056

(10%税込)
ISBN

978-4-480-06165-2

Cコード

0232

整理番号

465

2004/04/05

判型

新書判

ページ数

208

解説

内容紹介

日本国憲法第九条を改正すべきか否か、私たち一人ひとりが決断を迫られる時代が近づきつつある。だが、これまでの改正論議では、改憲・護憲派ともども、致命的に見落としてきた視点があった。立憲主義、つまり、そもそも何のための憲法かを問う視点である。本書は、立憲主義の核心にある問い──さまざまな価値観を抱く人々が平和に共存するための枠組みをどう築くか──にたちかえり、憲法と平和の関係を根底からとらえなおす試みだ。情緒論に陥りがちなこの難問を冷静に考え抜くための手がかりを鮮やかに示す。

目次

まえがき

序章 憲法の基底にあるもの
立憲主義とは何だろうか/立憲主義をなぜ問題にするのか

第Ⅰ部 なぜ民主主義か?
第1章 なぜ多数決なのか?
多数決をとる四つの理由/自己決定の最大化/功利主義/すべての人を公平に扱う/コンドルセの定理

第2章 なぜ民主主義なのか?
多数決と民主主義の異同/二つの見方/第一の見方をさらに二分する/アーレントの民主主義観/民主主義の自己目的化?/民主主義の失敗/民主主義の限界

第Ⅱ部 なぜ立憲主義か?
第3章 比較不能な価値の共存
「自然権」は自然か?/「正義の状況」/宗教戦争と懐疑主義/ハムレットとドン・キホーテ/比較不能な価値観の対立/立憲主義への途/公と私の人為的区分──政治の領域の限定/民主的手続の過重負荷/ジョン・ロックの抵抗権論

第4章 公私の区分と人権
「公」と「私」の人為的な境界線/信教の自由/自己決定/「愛国心」の教育

第5章 公共財としての憲法上の権利
社会の利益の実現を目指す権利/公共財/自由な表現の空間/マスメディアの表現の自由/マスメディアの部分規制/民主主義にとっての討議の意味/「多数者の英知」と「集団偏向」

第6章 近代国家の成立
社会契約というフィクション/平等な人一般の創出/天皇制という変則/天皇という象徴/外国人という変則/国籍の意味/分権の意味/国境の意味/人道的介入/「人道」という美名

第Ⅲ部 平和主義は可能か?
第7章 ホッブズを読むルソー
ホッブズにとっての戦争と平和/自然状態/戦争と戦争状態/人民武装/国家間同盟/社会契約の解消/「市民ルソー」対「合理的計算人ルソー」

第8章 平和主義と立憲主義
1 なぜ、そしてどこまで国家に従うべきなのか
「権威」に関するラズのテーゼ/調整問題/囚人のディレンマ/ホッブズと国家の正当化/ゴーティエの問題提起/チキン・ゲーム/「戦争」=「地獄」理論/日本における受容/より強い者の権利
2 国家のために死ぬことの意味と無意味
集団安全保障/軍事力による防衛の実際的困難/合理的自己拘束/原理的困難
3 穏健な平和主義へ
穏健な平和主義/パルチザン戦の遂行/非暴力不服従/「善き生き方」としての絶対平和主義/「世界警察」、そして「帝国」/九条改正はほんとうに必要か?/平和的手段による紛争解決/修復的司法とその応用

終章 憲法は何を教えてくれないか

文献解題
あとがき

著作者プロフィール

長谷部恭男

( はせべ・やすお )

1956年生まれ。東京大学法学部教授を経て、現在、早稲田大学大学院法務研究科教授。著書に『憲法と平和を問いなおす』(ちくま新書)、『法とは何か』(河出ブックス)など。

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