



『思考の整理学』を読んだ東大生の感想



『思考の整理学』トリプルミリオン達成までの経緯
『思考の整理学』はお茶の水女子大学名誉教授・外山滋比古氏による学術エッセイ。300冊以上の著書を持ち、「知の巨人」と呼ばれた氏の代表作です。1983年に「ちくまセミナー」シリーズの一冊として刊行されたもので、その後1986年に文庫化。文庫版は2007年までの21年間で16万部のロングセラーとなっていました。2007年に岩手県盛岡市のさわや書店で当時店員だった松本大介氏が記した「もっと若いときに読んでいれば…」という書店店頭の手書きPOPをきっかけに再び注目を集め、2008年の東大生協本郷書籍部・京大生協の書籍販売ランキングで1位を獲得し、“東大・京大で1番読まれた本”のフレーズが生まれました。このフレーズを帯で使用したことで更に話題をよび2009年に累計発行部数が100万部を突破。その後も毎年新たな読者を増やし続け、2016年に200万部、2020年に250万部を突破。また、2024年には「東大特別講義」を増補して初の改訂を実施し、新版に。文庫版は単行本刊行から40年以上が経った今もなお年間平均約10万部の重版が続いており、まさに時代を超えた不朽の名著となっています。

外山滋比古(とやま・しげひこ)
1923年愛知県生まれ。英文学者、文学博士、評論家、エッセイスト。東京文理科大学卒業。「英語青年」編集長を経て、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授などを歴任。専門の英文学をはじめ、日本語、教育、意味論などに関する評論やエッセイを多数執筆した。40年以上にわたり学生、ビジネスマンなどを中心に圧倒的な支持を得る『思考の整理学』をはじめ、『新版 「読み」の整理学』『忘却の整理学』(ちくま文庫)他、『日本語の論理 増補新版』(中公文庫)、『乱読のセレンディピティ』(扶桑社文庫)など著作は多数。2020年7月没。