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ちくまプリマー新書

読まれる覚悟

小説は、読まれてはじめて完成する。

小説は、読まれてはじめて完成する。書き手の心を守り、読む/読まれるという営みをよりいっそう豊かにしていくための《読まれ方入門》。

定価

880

(10%税込)
ISBN

978-4-480-68512-4

Cコード

0295

整理番号

478

2025/01/08

判型

新書判

ページ数

176

解説

内容紹介

小説は、読まれてはじめて完成する。
だから、たくさんの人に読んでほしいと思うのは、小説家の性。
でも、いいことばかりではありません。
誤読されたり、批判されたり、神様みたいに言われたり。
そんなとき、誠実に応え、自分の心を守って書き続けるための、《読まれ方入門》。

「小説を一生懸命書いて、誰かに読まれたいと願って、それなのにいざ読まれるとなると、辛いことも起こります。矛盾しているかもしれませんね。
 わたしは、小説家という仕事には"読まれることそのものの痛み"がつきものなんじゃないかと思っています。
 解釈されることは、傷を受けることだからです。」(「はじめに」より)

目次

はじめに

第一章 本を出したらどうなる?
1 まったく売れていないようだ
2 誰にも読まれていないようだ
3 じわじわ読まれはじめたら?
4 文壇で評価される/されない
5 読者に理解される/されない
よもやまばなし①

第二章 読者との理想的な距離感
1 誤読されたら
2 読まずに批判されたら
3 ファンがアンチになったら
4 ファンがストーカーになったら
5 作品と作者は別なのか?
6 社会問題を小説に書くこと
7 二次創作はありか?
よもやまばなし②

第三章 批評との共存の仕方
1 冷笑されたら
2 なぜ論理のない批評に傷つくのか
3 圧のあるベテラン小説家になったら
4 誤読されたら
5 なぜ誤読に傷つくのか
6 間違いを指摘しにくいと思ったら
7 差別されたら
8 なぜ差別に傷つくのか
9 批評が嫌いになりそうになったら
10 小説家が差別するとき
よもやま話③

第四章 ファンダムと生きてゆく
1 作者=神になったら
2 作品ごと軽蔑されたら
3 ファンが批評を叩いていたら
4 思想は隠してと言われたら
5 「あなたが推しです」と言われたら

おわりに

著作者プロフィール

桜庭一樹

( さくらば・かずき )

桜庭 一樹(さくらば・かずき):1971年鳥取県出身、小説家。1999年、「夜空に、満天の星」で第1回ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞し、翌年デビュー。『GOSICK』シリーズが注目され、さらに04年発表の『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が高く評価される。07年に『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞を、翌08年に『私の男』で第138回直木賞を受賞。おもな著書に『少女を埋める』『紅だ!』『彼女が言わなかったすべてのこと』『名探偵の有害性』など、またエッセイ集に〈桜庭一樹読書日記〉シリーズや『東京ディストピア日記』などがある。

メディア情報

スペシャルコンテンツ

『読まれる覚悟』(ちくまプリマー新書)
著者の桜庭一樹さんインタビュー

インタビューの内容は以下からお読みいただけます。

桜庭一樹が考える、作者とファンと批評の理想的な関係性 「論理的な批判と感情的な悪口は異なるもの」 | リアルサウンド ブック

桜庭一樹『読まれる覚悟』インタビュー

この本への感想

新書はあまり肌に合わず、物語ベースで何かを受け取るほうが好きなので、あまり読んできませんでした。
ですので、新書を読んでこんなにも「読んでよかった」と感じることになるとは、思いもよらなかったです。

タイトルや帯からは「小説を書く人向け」の印象を受けたのですが、第二章「読者との理想的な距離感」のあたりから自分ごととして読めるようになり、そこからは没入して読み耽りました。

生きてるうちに、知らず知らずに誰かを傷つけているかもしれない。常にその自覚を持ちながら生きていこうと、覚悟を決めさせてもらえる本でした。
なにかを読んだり・見たり・聞いたりして感想をどこかで述べたことのある人すべてに読んでもらいたい本だと思います。
あとがきに記された決意に心が震えました。

私自身は、漫画やアニメなどに感銘を受けて二次創作小説を書く、いわゆるファンダム側の人間です。小説を書くことに覚えのある身なので、タイトルに惹かれてこの新書に興味を持ちました。
ですが、プロとして書いて批評されることはなかったので、改めてプロの世界との違いを感じながら読みました。

心に残ったのは、「共和」の話と、差別の話です。
女性として生きてくことの苦しさを感じてきたはずなのに、自分を守るために共和に応じることしかできなかった経験が、私にもありました。自分自身の性的な経験や個人的な価値観を、作品を通じて勝手に判断されたこともありました。

プロの方と次元が違うことは百も承知ですが、非常に共感してしまいましたし、戒めにもなりました。
私も小説を書いたことで、作品を読んで批評したことで、誰かを傷つけていたかもしれない。いつだって被害者になるし、加害者にもなりえるのだと。

その反面、書く側と読む側がもっと対等に誠実に交流し合えれば、いつか理解し合えるものなのかもしれないなと。希望をもたせてもらえたような気もしました。

まとまらない感想で恐縮ですが、読んでよかったと心から思いました。著書内で紹介されていた作品も読みたいと思います。

折井

さん
update: 2026/08/30

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