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ちくま新書

世界はトラウマでできている

児童精神科医による「傷つき」論

大切なのは、飴玉のように感情を感じ終えるまで感じること。世界を見る目が変わる、児童精神科医による「傷つき」論。

定価

990

円
(10%税込)
ISBN

978-4-480-07767-7

Cコード

0211

整理番号

1937

2026/10/06

判型

新書判

ページ数

192

頁
解説

【帯イラスト】早川世詩男

内容紹介

大切なのは、飴玉のように感情を感じ終えるまで感じること。
世界を見る目が変わる、児童精神科医による「傷つき」論。

市民権を得たようにみえる「トラウマ」という言葉ですが、その意味するところは十分に理解されていないかもしれません。本書では、人が傷ついたときどういうことが起きているのか、トラウマを否認することで何が起きるか、丁寧に解説していきます。自分とだれかの傷つきを、大切にできるようになるための一冊です。

「「トラウマ」という言葉がなくても、あたりまえに、私たちは傷つく存在であり、さまざまな傷を抱えながら生きているということを、お互いに理解し、認め合い、受け入れる世の中が来てほしいと思っています。」(本文より)

目次

はじめに
「それでも人は傷つく」をあたりまえに/トラウマの理解のために/この本は「ちょうどよく」ないかもしれない/感じ終わるまで感じること

第1章 人は傷つく
「傷つく」の軽視/トラウマ元年/PTSD概念の広がり/診断名の登場/異常な状況における正常な反応

第2章 人が傷ついたとき起こること
DSMによる診断基準/DSM?5?TRの特徴/議論の的となるA基準/心の傷に大小はない/B基準=侵入症状/フラッシュバックとは/きっかけになるもの/C基準=回避症状/D基準=うつ状態/自分に責任を押し付けてしまうこと/全体としてうつ状態を呈する/E基準=覚醒度と反応性/睡眠障害/F基準=仮の区切り/G基準とH基準/解離症状/遅延顕症型

第3章 トラウマという名のもとに
心理療法への影響/再演/再演の例/否定的な自分観/ポスト・トラウマティック・プレイ/解離/感情は飴玉のように/恐怖条件付け/PTSDと脳の関係/ポリヴェーガル理論/進化と発達からわかってきたこと/感情から目を逸らす/EMDRの人間くささ/私たちの外界認識/世界線が変わる/集団のなかのトラウマ/トラウマ・インフォームド・ケア登場/浸透しないTIC/医療以外の現場/精神医学は変わるのか?

第4章 トラウマを認めたくない人たち
スモールtトラウマとは何か/なぜ私たちはトラウマを認めたくないのか/トラウマは擬態する/常識はなぜ保たれているのか/伝統や武勇伝/集団の都合/男性用トイレを例に/加害者の誕生/トラウマに触れると何が起こるのか/医療に潜むトラウマ/トラウマへのトラウマ/「正常」との線引き/時代とともに変わるもの/誰かのあたりまえは、誰かのトラウマかもしれない/明文化できないものを学ぶとき/被害者が加害者をかばうとき

第5章 心の傷が癒えるとき
何重にも絡まった糸/トラウマは克服しなくていい/人の「推し」を笑うな/思い残しと成仏/動物園の避難訓練/訓練の時間は終わらない/考えるな、感じろ/感じる者は救われる

おわりに

著作者プロフィール

竹内伸

( たけうち・しん )

竹内 伸(たけうち・しん):児童精神科医。国立小児病院心療内科・精神科に勤務後、現在「おかのうえ 子ども心のクリニック」にて臨床に従事。EMDRの臨床に取り組むほか、トレーニング・ファシリテーター、学会認定コンサルタントを務める。また各領域でコンサルテーションや研修等を行い、後進の育成に携わる。共著に『障害児の理解と支援』(駿河台出版社)、監訳書に『ニューロフィードバック』(星和書店)など。

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