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ちくま新書

中東ではなぜ戦争が終わらないのか

世界の趨勢をここから占う!

ホルムズ海峡、ガザ、核問題、イスラーム過激派、アメリカの介入、日本への影響――、気鋭の研究者が「終わらない戦争」をめぐり絡み合う利害と構造を読み解く。

定価

1,155

円
(10%税込)
ISBN

978-4-480-07773-8

Cコード

0231

整理番号

1942

2026/11/09

判型

新書判

ページ数

320

頁
解説

内容紹介

世界の趨勢をここから占う!
ホルムズ海峡、ガザ地区、イランと核問題、イスラーム過激派
複雑に絡み合う利害と構造――

ホルムズ海峡、ガザ地区、イランなど、中東では今も争いが続いている。なぜいつまでも終わらないのか? 武装勢力、周辺国、域外大国、様々なプレイヤーが錯綜し、他国を軍事力でねじ伏せることはできても、新しい政治秩序を構築することには繰り返し失敗してきた。
イラン、イスラエル、アメリカ、イスラーム過激派の動きから、いま日本がどう対峙すべきかまで、気鋭の研究者が「世界で最も紛争が多い地域」で、あまりにも複雑に絡み合う利害と構造を読み解く。

目次

序章 中東ではなぜ戦争が終わらないのか?
1 中東の終わらない戦争
2 軍事力にできること、できないこと
3 軍事的勝利と政治的解決の違い
4 国家が戦場になるとき
5 戦争に勝っても平和が訪れないのはなぜか?
6 本書の構成

第1章 「終わらない戦争」を生む四つの構造
1 中東という「終わらない戦場」
2 主権の揺らぎと統治の脆弱性
3 共有されない規範と競合する正統性
4 有効な地域制度の不在
5 域外大国の介入
6 四つの要因が作り出す悪循環

第2章 イスラエル――「要塞国家」の終わらない戦争
1 「強さ」と「不安」を併せ持つ「要塞国家」
2 「ベングリオン・ドクトリン」――小国が生き残るための「攻撃的防衛」
3 六日間戦争と「勝利の逆説」
4 ガザ――撤退後も続く管理と戦争
5 レバノン――ヒズボラとのあいだの不安定な相互抑止
6 イラン――遠方の脅威に対する「戦争と戦争の間の軍事行動」
7 攻撃的防衛から防御の重視へ
8 なぜ軍事的優位は平和をもたらさないのか?

第3章 イラン――イスラーム体制の「未完の革命」
1 「革命国家」としてのイラン
2 下ろせない旗――反米・反イスラエルの論理
3 「聖なる防衛」の記憶
4 戦力の非対称性――通常戦争を避ける戦略
5 核開発――「持たない抑止」の危うさ
6 ミサイル・ドローン開発―― 空軍能力の不足を補う「分散型抑止」
7 革命の輸出――「抵抗の枢軸」はいかに作られたか?
8 「未完の革命」の逆説

第4章 アメリカ――軍事力への過信とその逆説
1 戦争の当事者となったアメリカ
2 石油――世界市場への流れを守る
3 イスラエル――同盟を超えた「運命共同体」
4 湾岸戦争――「成功」が加速した外交の軍事化
5 9・11とイラク戦争――「体制転換」という幻想
6 終わらない「対テロ戦争」――暗殺の制度化
7 「撤退」の時代――制度化される軍事的関与
8 強すぎる軍事力の罠

第5章 シリアとイエメン――国家が戦場になるとき
1 国家が戦場になるとき
2 シリア――強すぎる国家の崩壊
3 イエメン――国家になりきれなかった共和国
4 戦場はいかに再生産されるのか?

第6章 イスラーム過激派勢力――国境を越える戦場
1 戦争を国境の外へ持ち出す者たち
2 「第一の波」――ソ連のアフガニスタン侵攻と「アラブ・アフガン」
3 「第二の波」――アル= カーイダと「遠い敵」
4 「第三の波」――「イスラーム国」の興亡
5 「第四の波」――断片化、個人化、終わらない戦争
6 イスラーム過激主義と国境を越える戦場

第7章 ガザからイランへ――「10・7」以降の激変する地域秩序
1 「10・7」の衝撃
2 ガザ――抑止の回復と「統治なき勝利」
3 レバノン――相互抑止の終わりと安全保障地帯の誘惑
4 シリア――アサド政権の崩壊
5 イランとの直接戦争――白日の下に晒された「影の戦争」
6 アブラハム合意――「弱者」なき秩序構想
7 軍事的勝利の果てに

終章 日本は激動の中東といかに向き合うべきか?
1 終わらない戦争の構造と軍事力の限界
2 湾岸諸国とトルコ――戦略的自律性の模索
3 激動する中東は日本に何を問いかけるのか?
4 軍事的な対立を政治の枠内に戻す

著作者プロフィール

溝渕正季

( みぞぶち・まさき )

溝渕 正季(みぞぶち・まさき):1984年生まれ。明治学院大学法学部政治学科教授。専門は中東地域の政治・軍事・安全保障問題、イスラーム政治運動、中東地域をめぐる国際関係、アメリカの中東戦略。神戸大学国際文化学部コミュニケーション学科卒業、上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科地域研究専攻博士後期課程単位取得退学。博士(地域研究)。名古屋商科大学ビジネススクール教授、広島大学大学院人間社会科学研究科准教授などを経て現職。著書『アメリカの中東戦略とはなにか――石油・戦争・同盟』(慶應義塾大学出版会)、共編著訳にスティーヴン・ウォルト『同盟の起源――国際政治における脅威への均衡』(ミネルヴァ書房、今井宏平との共訳)、『「アラブの春」以後のイスラーム主義運動』(ミネルヴァ書房、髙岡豊との共編)、『中東・イスラーム世界の歴史・宗教・政治』(明石書店、髙岡豊・白谷望との共編)、『ヒズブッラー――抵抗と革命の思想』(現代思潮新社、髙岡豊との共訳、解説)、ロジャー・オーウェン『現代中東の国家・権力・政治』(明石書店、山尾大との共訳)など。

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