飯野亮一
( いいの・りょういち )飯野 亮一(いいの・りょういち):食文化史研究家。元服部栄養専門学校理事・講師。早稲田大学第二文学部英文学専攻卒業。明治大学文学部史学地理学科卒業。著書に『居酒屋の誕生』『すし 天ぷら 蕎麦 うなぎ』『天丼 かつ丼 牛丼 うな丼 親子丼』『晩酌の誕生』(いずれも、ちくま学芸文庫)、『江戸の料理と食生活』(共著、小学館)、『郷土史大辞典』(共著、朝倉書店)、『歴史学事典』(共著、弘文堂)、『調理用語辞典』(共著、全国調理師養成施設協会)などがある。
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駅弁を肴に一杯やるのが旅の愉しみ、という方も多いだろう。実は弁当で酒を飲むのは日本人の古くからの習性であった。江戸時代には花見をする際、幕を引き、その中で飲食を愉しんだ。弁当の基本形態である幕の内弁当の「幕の内」とは、この花見の際の幕の中のことを言った。次第に幕の中で食べる弁当が幕の内と呼ばれ、そのネーミングの妙から吉原で商品化されて妓楼の客に出されるようになる。その後市中でも売り出され酒の肴として定着していった。江戸の昔から弁当と酒とは切っても切れない関係なのだ。知られざる歴史を初めて明らかにする。
はじめに
序章 江戸の庶民と弁当
一 職人は弁当持参で仕事場へ
二 子供は弁当持参で寺子屋へ
第一章 弁当のルーツを探る
一 弁当の役割を担っていた糒
二 元祖弁当箱の出現
第二章 弁当の名の出現と普及
一 戦国大名と弁当
二 弁当の普及
第三章 花見と弁当
一 江戸に花見の名所が生まれる
二 江戸っ子は弁当持参で花見
第四章 幕の内弁当の誕生
一 幕の内という言葉が現われる
二 幕の内弁当が現われる
三 江戸市内に幕の内を売る店
四 懐石風幕の内の誕生
第五章 芝居見物と弁当
一 江戸の芝居小屋
二 桟敷席での飲食
三 大衆席での飲食
第六章 弁当の発展
一 弁当屋の出現
二 弁当屋の発展
三 駅弁の誕生
第七章 日常生活と手弁当
一 武士の勤番と弁当
二 江戸の職人と弁当
三 江戸の子供と弁当
四 サラリーマンと弁当
第八章 おにぎりの歴史
一 握り飯のルーツ
二 裹飯こそ握り飯
三 焼飯の工夫
四 握り飯が出回る
五 握り飯と海苔との出会い
六 握り飯と梅干の出会い
結び 歴史が育んだ日本の弁当文化
おわりに
参考史料・文献一覧