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ちくま学芸文庫

死者のゆくえ

日本人にとって死とは何だったのか

日本人は古来、死者をいかに弔ってきたのか、その背後にはいかなる観念が存在したのか。死生観を根底から問い直し、知られざる転変を解きあかす。

定価

1,650

(10%税込)
ISBN

978-4-480-51395-3

Cコード

0121

整理番号

-30-2

2026/09/09

判型

文庫判

ページ数

352

解説

内容紹介

人は必ず死ななければならない。死という不可避の運命を古来日本人はどう捉え、身近な死者をどう弔ってきたのだろうか。本書では数々の資料を読み解くとともに、各地の霊場にも足を運び、「死」をめぐる観念の実相と変容に迫る。遺体を打ち棄ててかえりみなかった古代の人々、遺骨を熱心に霊場まで運んだ中世の人々……。現代とはまったく異なる葬送のかたちだが、その背景をひもとけば、肉体と魂の関係、彼岸のイメージなどにまつわる、各時代固有の死生観が輪郭をあらわす。日本列島におけるそれぞれの時代で共有されたコスモロジーと、名も無き人々の「死の精神史」を丹念に描き出した名著。

目次

序 章 死の精神史へ――方法と視座――
一 遠野物語の世界
二 柳田説の再検討

第一章 風葬の光景
一 心象の化野
二 撒かれる骨
三 古代人における生と死
四 死者はどこに行くのか
五 古代人の他界観

第二章 カミとなる死者
一 巨大墳墓の時代
二 古墳の思想
三 墓と樹木
四 死霊からカミへ
五 王権を守護する天皇霊
六 死霊と御霊

第三章 納骨する人々
一 八葉寺の夏
二 拡大する彼岸世界
三 骨に憑く霊
四 この世に留まる死者
五 往生を拒む人々

第四章 拡散する霊場
一 青葉山植物園の板碑
二 板碑の建立と浄土往生
三 創られる霊場
四 勝地と境界
五 霊場を拒否する人々

第五章 打ち割られた板碑
一 破棄された板碑群
二 供養塔から墓標へ
三 縮小する他界
四 墓に憩う死者
五 菩提寺の時代

終 章 死の精神史から
一 異界からの眼差し
二 死の観念の変容
三 生者と死者の精神史
四 死の比較文化論的研究

引用・参考文献一覧
使用テキスト一覧
あとがき
自著解説

著作者プロフィール

佐藤弘夫

( さとう・ひろお )

佐藤 弘夫(さとう・ひろお):1953年宮城県生まれ。1978年、東北大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、東北大学名誉教授。神仏習合、鎌倉仏教、国家と宗教、死生観などをキーワードに日本の思想を研究。著書に『鎌倉仏教』(ちくま学芸文庫)、『アマテラスの変貌』(法蔵館文庫)、『日蓮』(ミネルヴァ書房)、『日蓮「立正安国論」』(訳注、講談社学術文庫)、『日本人と神』(講談社現代新書)、『概説 日本思想史』(共編著、ミネルヴァ書房)など多数。

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