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ちくま学芸文庫

『ボヴァリー夫人』論〔増補決定版〕 上

明かされる「テクスト的な現実」

どこまでもその「テクスト的な現実」に即して『ボヴァリー夫人』を読解すること――。それによって作品は驚くほど豊かな相貌を見せることになろう。

定価

2,090

(10%税込)
ISBN

978-4-480-51376-2

Cコード

0195

整理番号

-1-11

2026/07/09

判型

文庫判

ページ数

624

解説

内容紹介

「何も書かれていない書物」たることを夢見て生み出された『ボヴァリー夫人』。この作品をどこまでもその「テクスト的な現実」に即して分析したものが本書である。「エンマ・ボヴァリー」という固有名詞の不在の指摘を嚆矢として、手や足、数字といった細部の考察、さまざまなフィクション論などをめぐる批判的検討がなされる。周到かつ繊細な読解によって明らかとなる細部相互の齟齬と照応、差異と類似の共鳴。それらを通じ、テクストがまぎれもなく運動の惹起やみずからの変容、つまりは生成の流動とともにあることを読者はつぶさに知らされるだろう。蓮實批評の方法を大規模に示した代表作。

目次

凡例
序章 読むことの始まりにむけて
Ⅰ 散文と歴史
Ⅱ 懇願と報酬
Ⅲ 署名と交通
Ⅳ 小説と物語
Ⅴ 華奢と頑丈
Ⅵ 塵埃と頭髪

著作者プロフィール

蓮實重彦

( はすみ・しげひこ )

蓮實 重彦(はすみ・しげひこ):1936年東京生まれ。60年東京大学仏文学科卒業。同大学大学院人文研究科仏文学専攻修了。65年パリ大学大学院より博士号取得。東京大学教養学部教授(表象文化論)、東京大学総長を歴任。東京大学名誉教授。仏文学にとどまらず、映画、現代思想、日本文学など多方面で精力的な評論活動を展開し続けている。著書に『表層批評宣言』『凡庸な芸術家の肖像』『映画の神話学』『シネマの記憶装置』『映画はいかにして死ぬか』『監督 小津安二郎〔増補決定版〕』『ハリウッド映画史講義』『映像の詩学』『伯爵夫人』『ジョン・フォード論』『日本映画のために』ほか多数。

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