loading...

ちくま新書

古代エジプト 封印された王

——ツタンカーメンの父、アクエンアテン

「存在しなかった王」に考古学が迫る

「異端のファラオ」アクエンアテン。古代エジプトの伝統を葬り、世界の調和を望んだが、伝統によって歴史から抹消されてしまう。考古学が文明社会の矛盾を暴く。

定価

1,078

円
(10%税込)
ISBN

978-4-480-07772-1

Cコード

0222

整理番号

1943

2026/11/09

判型

新書判

ページ数

288

頁
解説

内容紹介

伝統を葬り去ろうとした王は、その死後、伝統によって抹消された――
「歴史の空白」に考古学が迫る

ツタンカーメンの父でありながら、約三千年にわたる古代エジプト史のなかで「存在しなかった王」として扱われ、歴史の空白として封印されたファラオ、アクエンアテン。

オリエント世界の調和と平和を望んだ彼は、モーセやキリストの登場よりも前に一神教を創始し、伝統的な多神教世界を否定した。

結果として社会を混乱に陥れたために、「異端」「狂気」と評されてきたが、この王の真意はどこにあったのか。なぜ改革は失敗したのか。巨大文明に露呈した構造的矛盾を考古学が照らし出す。

目次

序章 砂漠に現れた異形の王権
1 狂気の王かヒューマニストか――アクエンアテンの実像
2 繰り返されてきた秩序の形成と崩壊――新王国時代以前
3 三千年の信仰――アニミズム的思考と多神教世界
4 古代エジプト帝国――新王国時代第十八王朝

第一章 偉大な父が遺した文明
1 ゴールデンエイジ――アメンホテプ三世の時代
2 ゴールデンシティー――アメンホテプ三世の都市
3 戦争なき古代オリエント世界――人類史上最初期の多国間外交
4 太陽神ラーの顕現――安定と繁栄の極致の時代
5 三世から四世への継承――理想への第一歩

第二章 アクエンアテンの時代
1 アテン神の地平線――長き伝統からの脱却
2 アマルナ美術の誕生――古代エジプト美術史の特異点
3 アマルナ革命――古代エジプト社会の構造的矛盾
4 革命の発生条件――宇宙秩序の再構築
5 オシリスになれない死者たち――世界をゼロから定義する
6 王はどうすれば良かったか――アマルナ革命の崩壊

第三章 革命は何をもたらしたか
1 芸術――アマルナ美術
2 都市空間――新都アケトアテン
3 外交――アマルナ文書
4 社会制度――アメン神官団
5 生活と宗教――未完成な一神教

終章 砂漠に刻まれた方程式の余白に
1 ほんとうのアクエンアテン――歴史叙述の構造
2 文明は繰り返す――制度変動分析の理論モデル
3 「冷たい方程式」の支配――制度的構造の帰結

あとがき/註/図版出典一覧/参考文献

著作者プロフィール

大城道則

( おおしろ・みちのり )

大城 道則(おおしろ・みちのり):1968年兵庫県生まれ。関西大学大学院文学研究科史学専攻博士課程後期課程修了。英国バーミンガム大学大学院古代史・考古学科エジプト学専攻修了。現在、駒澤大学文学部教授。専攻は古代エジプト史。博士(文学)。主な著書に『古代エジプト文明――世界史の源流』(講談社学術文庫)、『ツタンカーメン――「悲劇の少年王」の知られざる実像』(中公新書)、『古代人の教訓――視野が広くなる、世界最古の教え』『現代にピラミッドを建設しようとしたら、超大変だった話』(いずれもポプラ新書)など多数。共編著に『死者はどこへいくのか――死をめぐる人類五〇〇〇年の歴史』(河出書房新社)、『考古学者が発掘調査をしていたら、怖い目にあった話』(ポプラ社)など多数。翻訳書に『図説 古代エジプト文明辞典』(監訳、柊風舎)、『ツタンカーメン――黄金の秘宝』『古代エジプト人の24時間――よみがえる3500年前の暮らし』(いずれも監修、河出書房新社)など多数。

「ちくま新書」でいま人気の本

【10/14 ハンナ・アーレント生誕120年】