高校時代、ランボーに夢中だった。たぶん作品よりも、現れ方も消え方もともに文字通り「彗星」のようなその人生に惹かれた。そして20年前、自分がランボー逝去時と同じ37歳になった際、思うところあって手にとったのが本書だった。宇佐美斉の訳文には、かつて読んだ堀口大學訳の「シャンソン感」や、小林秀雄訳の「ロック感」がなく、「俺って厨二病?」という気恥ずかしさに苛まれずに済む。中年期再読にはありがたい一冊だ。
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精神科医