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単行本

宣長とベルクソン

ベルクソンの「持続の直観」と本居宣長の「大和ごころ」は「ひとつの哲学」だった。洋の東西を超えて、ふたりが目指した真の「経験」に基づいた哲学を解明する。

定価

4,950

(10%税込)
ISBN

978-4-480-84339-5

Cコード

0010

整理番号

2026/05/25

判型

四六判

ページ数

592

解説

内容紹介

宣長とベルクソンを並行させ、交互に輪唱のように歌わせて、
ふたりのなかにあった「ひとつの哲学」を取り出し、語り直す。

「持続の直観」と「大和ごころ」
そこにふたりは何を見たのか?

人類が「知性」のみを頼りとして思考し、しかもその考えが、有用ではっきりとした行動に向けられているわけでも、日々の暮らしに役立てられているわけでもない時、必ず無用にして危険、滑稽にして酷薄な精神の機構が、社会のなかに重々しく、頑強に作り出されることとなる。そうした機構が人心を支配し、人間の歴史を左右するさまは、まことに恐るべきものだとベルクソンは考えたのである。本居宣長が「からごゝろ」と呼んで排撃したものは、まさにベルクソンが戦ったこの精神の機構と同じものを指している。この戦いを敢行するために、二人が用いた言葉、扱った事実や出来事、成し遂げることに打ち込んだ述作の体系は、限りなく隔たっている。それでも、ふたりの戦いを為さしめている根源からの力は、ほとんど完全に同じものだと言えるのである。人間の歴史には、そういうことが起こり得る。――序章より

目次

序 章 ひとつの啓示
第一章 初めは歌の言葉から
第二章 思考を阻んで在るもの
第三章 「もののあはれ」に立つこと
第四章 変化それ自体である心
第五章 光源氏なる人
第六章 もののあはれを知らぬ人
第七章 物に触れて動く心
第八章 見る心と在る物の姿
第九章 歌を詠むにさまざまな度合のあること
第十章 「過去」なるものの無数の水準
第十一章 皇国(ミクニ)は格別(カクベツ)の子細(シサイ)あるが故に
第十二章 生物の「進化」をいかに語るか
第十三章 天地(あめつち)の初めを説く言葉
第十四章 「本能」の全体をいかに語るか
第十五章 神々が生まれ出ること
第十六章 直観と知性とはいかに浸透し合うか
第十七章 「穢れ」という物
第十八章 自然に「意図」があること
第十九章 生が死に克ち続けること
第二十章 道徳の英雄と成りゆく者
第二十一章 天が地へと降りる
第二十二章 道徳と宗教とが、二つにして一(いつ)である時
第二十三章 『古事記』に沁み渡る天降(あまくだ)りの意図
第二十四章 人だけが、なぜ物語って生きるのか
第二十五章 神が人と戦って勝つ時
第二十六章 実践する神秘家たち
第二十七章 ほどほどにあるべきかぎりのわざをして
第二十八章 機械学(ラ・メカニック)に神秘学(ラ・ミスティック)が
結 章 二つの遺言状が指すもの
あとがき
人名・神名索引

著作者プロフィール

前田英樹

( まえだ・ひでき )

前田 英樹(まえだ・ひでき):1951年大阪生まれ。批評家。中央大学大学院文学研究科修了。立教大学現代心理学部教授などを歴任。主な著書に『剣の法』(筑摩書房)、『日本人の信仰心』(筑摩選書)、『独学の精神』(ちくま新書)、『保田與重郎の文学』『批評の魂』(新潮社)、『小津安二郎の喜び』『民俗と民藝』(講談社選書メチエ)、『ベルクソン哲学の遺言』(岩波現代全書)、『信徒内村鑑三』(河出ブックス)、『沈黙するソシュール』(講談社学術文庫)、『倫理という力』(講談社現代新書)など多数。

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